フラワー・ストーリー‐本編 access_time

フラワー・ストーリー 第12章

「うわっ、何だこいつ!?」
 5人の兵士は、突然駆けつけてくるめぐみを見て、かなり驚いていた。
 しかし、すぐに気を取り戻したその兵士は、なんとすぐに銃を構え、発砲してきた!
 しかし、めぐみはそれを見事に避け、銃を構える一人の兵士に足払いをかけて転ばせた。
 バランスを失って倒れかけるその兵士に、めぐみは追い討ちとばかりにみぞおちに強力な一撃を加えた。
 呆気に取られていたほかの4人が、一斉にめぐみに襲いかかろうと前方と横から襲い掛かってきたが、めぐみは後ろに飛びのき、すぐにナイフを突き出してそのうちの一人の腹を刺した。
 戦うめぐみには、すでに人間としての情けは残っていなかった。
 しばらくそのめぐみの容赦なき猛攻に見とれていた私も、すぐに戦いに加わった。
 5人いたうち、2人はすでにめぐみに負けて転がっている。
 3人のうち1人はめぐみ、1人は美羽と戦っている。
 最後の1人の標的は──私だ。
 その兵士は剣を構えて近づいてきたが、何を思ったのか突然私から離れて、剣をしまった。
 そして、空いた手で、銃を構えてきた。
「お前ら3人……何かで見た事があると思ったら……ブラックリストに載っている……反逆者集団ドリームウィングの首謀者と、反逆都市から逃走した犯罪者と、地球人の基地を壊滅させたやつ……さしずめ、犯罪者の集まりか?」
 その言葉に、私ははらわたが煮えくるような思いがわきあがった。
「アーチに突然現れて……侵略してきたくせに……何が犯罪者よ!さっさと出て行きなさいよ!!」
 そういって、私は我を忘れて5メートルほど離れているその兵士のもとへ駆け出した。
「どうせしぬくせに、いい加減諦めたらどうだ?」
 そういって、そいつはその銃の引き金を引こうとした。
 しかし、間一髪のところでめぐみが後ろからドロップキックをヒットさせた。
「か弱い女の子に、銃を構えるなんて……最低ね」
 めぐみはすでに自分の相手を倒していたらしい。
 話しながらも、美羽の相手を慎重に狙っている。
 そして、ナイフを狙い定めてひゅっと投げた。
 一瞬でそのナイフは兵士の胸に突き刺さり、兵士は倒れた。
「さて……これで、全員片付いたわね」
 淡々と語るめぐみは、まるで厄介なデスクワークを終えたかのような口ぶりだった。
「でも、こいつはどうする?まだ気絶してるわよ」
 そういえば、私の相手は蹴られただけだった。
「苦しまないうちに刺しちゃいましょうよ」
 めぐみはそういったが、美羽がそれを止めた。
「やめときましょうよ」
「何で?」
「だって、この人……アーチ人じゃない?」
「え?」
「ほら……」
 よく見るとその人には腕輪がつけられていた。
 赤色の腕輪で、地球人の奴隷である事を示す腕輪だった。
 その腕輪には光電池と風力発電機、さらにGPSが内蔵されており、遠隔操作で電流を流す事もできる。
 要するに、簡単に罰を与える事ができるうえ、脱走しても簡単に見つけられるという、地球人にとってはとても便利な道具なのだ。
 ちなみに、一度つけられると二度と取れないと言われている。
「でも、これがあると、ちょっと困るわね……」
 そういって、めぐみはどこからか長い剣を取り出して、その腕輪の、ある一部分をよく狙い定めると、勢いよく突き刺した。
 すると、腕輪に点いている緑のランプが突然紅く点滅し、やがて消えた。
 それと同時に、腕輪は静かに崩れ去った。
「すごい……」
 私も美羽も感心していた。
 絶対に取れないといわれる腕輪を、一瞬でその機能を停止させたのだから、当然だ。
「だいぶ前に1日中試したからね……実際に外したのは、これが……」
「初めてなの?」
「いや、何回もやったよ?」
 その言葉に、私は耳を疑った。
 めぐみはそんな事気にもしない、というような感じでまだ気絶しているその兵士の体をあちこち調べ、いじくっていた。
 こうして、ますますめぐみの過去の謎は深まった──。

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