ユニバース・アドベンチャー ★13

 ★13 The Science Network Planet

 あちこちを飛び交う、ゴールデンスニッチのような衛星型のメカ。
 四方八方に張り巡らされた、通信回線。
 それは、まさに『科学都市』と呼ぶべきものだった。
「これは……凄いですね」
 リアが呟いた。
「え?来た事なかったの?」
「ええ。
 ここはそもそも、情報管理のためだけにある星ですから。
 ここを基点として、ソルジット系の全ての惑星はネットワークでつながっているんです。
 当然、旅行なんかで来るような場所でもありません。
 この星の全てが、1つの科学都市ですから」
 要するに、地球でいう人工衛星のような役割を果たしているのだろう。
 ただし、地球では衛星を通じて1つの星の中の全てが結ばれているが、ソルジットでは惑星を通じて1つの宇宙の中の全てが結ばれている、というのが違う所だろう。
「でも、だったらそんな簡単に情報を得られるんですか?」
「大丈夫です。
 私の母が、ここで働いているので」
「え!?ていうか、同じ星に住んでないの?」
「何を言ってるんですか?
 惑星間の行き来は端から端まででも半日もかかりません。
 別の星である事は、ソルジット系では特に意味を持ちません。
 ソルジット系での「星」というのは、あなたたちの国でいうと、単なる「都道府県」のような単位に過ぎません」
 わかるような、わからないような……。
「ところで、何であんなに回線が引かれてるの?
 ここまで発達してるなら、全部電波でできるはずなのに」
 すると、リアが笑った。
「ああ、あれですか?
 あれは、情報を送る回線ではありません。
 物体を電子記号化して送るための、いわば道路です」
「へ?」
「だって、ここには道路が引かれていないでしょう?」
 言われてみると、ここは家や工場同士が完全に密着している。
「移動は全てあの回線を利用して行われます。
 人間だって、あの回線で目的地まで一瞬ですよ。
 さすがに電波化は危ないので、行われていませんが……それでも、検討中みたいですよ」
「……ソルジット系って、どこもこんなに発展してるの……?」
「そんなわけないですよ。
 ここはテクノスターに指定されているので、ここまで科学が進歩しているだけです。
 あのシンシアでもまだ発展している方で、地球と全く変わらないくらいの状況の星がたくさんありますよ」
「あの……ソルジット系って、どのくらい星があるの?」
「えーと……確か、約300個以上、ですね。
 ただ、無人の星や、ここのように1つの企業や団体が独占している星も多いですから。
 総人口は……500億人くらいです」
「500億……そんなに増えたの?日本人の一部だけで」
「いえ、もともとこの宇宙に住んでいた種族もたくさんいましたよ。
 偶然にも、その種族は日本人とほとんど変わらない体質をしていたので、すぐに交わるようになりました。
 言語は日本語で統一されたんですが、現在ではどの子孫かなんて全くわかりませんし、気にもされていません。
 特に差別する事もありませんし、純血なんて残っていないと思います」
 ソルジット系って……凄い……。
 地球では、まだ差別が消えてないのに、ソルジット系では、簡単になくなってるだなんて……。
 この宇宙を見習わなければならない事が、たくさんあると、あたしは感じていた。
 もちろん、記憶は消されてしまうんだけど……。
 なんて考えている間に、リアは電話をしていた。
 リアは電話を閉じると、あたしたちに教えた。
「今母と話したのですが、今は情報が極端に増えて忙しいので、とりあえず今日はホテルにでも泊まって、明日来てほしいとの事です。
 UFOはもうここの異次元倉庫に預けてあるので、ホテルへ移動しましょう」
「え?どうやって……?」
「もちろん、これを使うんですよ」
 それは、電話ボックスとそっくりなものだった。
「中に入ってください」
 あたしたちが中に入ると、リアは蓋を閉め、ボタンを押した。
〈ホテルフローラルへと移動します〉
 そしてあたしたちは……電子となった。

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