ユニバース・アドベンチャー ★21
★21 We never lose our mate!
「どっちが倒しやすい!?」
せん○くんのビームをかわしながら、あたしがほかの4人に聞いた。
「そういう問題じゃなくて、○んとくんを倒さないと。伏字をこれ以上使うのは大変だろ」
「そうね……なら!!」
あたしはショックガンを取り出すと、せんと○んにビームを放った。
せ○とくんが痺れ、地面に落下した。
すかさずセインがポケットから取り出した爆弾に火をつけ、せんとく○に向かって勢いよく投げつけた。
一瞬にして巨大な爆風が起き、せん○くんは木っ端微塵に吹き飛んだ。
「いいのか?この描写」
「いいんじゃない?断定はしてないし」
「いや、してるだろ!!わざわざ毎回伏字の位置変えて、しかも遷都1300年とか言ってるし!!」
「おしゃべりはそこまでにしてください。敵はまだ残っています」
リアがそうたしなめたので、あたしたちは大蛇に向き直った。
大蛇は真っ赤な瞳であたしたちの方をにらんでいる。
一瞬の空白を置いて、大蛇が一気に突進してきたので、あたしたちはあちこちに散ってかわした。
大蛇はすぐに方向転換すると、なんとあたしを狙ってきた。
大蛇の鋭い牙が、勢いよくあたしに迫る。
あまりの速さに、思わずあたしは目をつぶった。
牙はあたしにまっすぐ突き刺さる……。
ところが、ずぶっ、という音ではなく、がきん、という金属音がしたので、あたしは目を開けた。
目の前には、剣で牙を受け止めるセインが立っていた。
「大丈夫でしたか?……はあっ!!」
セインはあたしに笑いかけると、剣で大蛇に斬りかかった。
大蛇の腹から血が吹き出し、大蛇は痛みと怒りでその大きな体をうねらせた。
大蛇は怒りに我を忘れ、セインに突進してセインを壁に跳ね飛ばした。
「ぐはあああっ!!」
壁に勢いよくぶつかったセインは、痛みでその場に倒れこんだ。
大蛇はチャンスとばかりに大きく口を開け、噛みつこうとした。
「危ない!」
リアはそう叫んで、大きな槍を構えると、大蛇の背中に思い切り突き刺した。
大蛇は鮮血を舞い散らして倒れた。
すると、なんと大蛇は蒸発するように実体を失って消えた。
いつの間にかあの某大仏の破片も消えていた。
「なんだったんだ……これ……」
ヒカルが問いかけた。
「こんなの、あり得ない……。
絶対、おかしい……」
サエが目を閉じてその場にへなへなと座り込んだ。
あたしもおかしいと思う。
カナの異常なまでの能天気さだけでなく、大蛇とせ○とくんというマジカル☆デストロイにも劣らないほどの不条理な組み合わせ、そして閉鎖空間でも起こりえないくらいミステリックな、怪物の遺体の消失。
そう考え、あたしはある事に思い当たった。
「もしかして……これ……」
あり得ない事が起きるのは、決まって架空のストーリーの中か、または夢である。
あたしがいる世界は、架空のストーリーでは……あるんだけど、それでも一応現実の体を呈している。
だとすれば、考えられるのは、ひとつ。
「……夢オチ……」
昨日のバッドエンドがしゃれにならない展開……。
あたしは めのまえがまっくらになった
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目が覚めると、あたしはホテルのベッドで寝ていた。
「嘘でしょ……こんな展開……どこからが夢だったの……?」
「夢ではありませんよ」
リアがぬっと顔を出して告げた。
「え?でも……あたしはここに……あっちにいたのに……」
「それなら、すぐに説明します。
でもまずは……、皆さんを起こさないと」