ユニバース・アドベンチャー ★28

 ★28 Worst Crisis of Hikaru

「ああ、忘れてました。
 少し困った事があるんですけど……」
「どうしたんだ?」
「実は、ラーミアは、女性しか入れない惑星なんです」
「……は?」
「もともとラーミアは、まだ女性差別が根強かった頃……といっても、何百年も昔の事ですけど……に、女性たちが自立できる環境を、という事で開発された星なんです。
 無人だったその星に、何人かの女性が移住して以来、その星には女性しかいません。
 男性は立ち入り禁止になってるんです」
「……でも、それだとどうやって子どもを産んでるの?」
「それは大丈夫です。
 女性の多くは、外に出て結婚して、子どもを産んで、子どもが20歳くらいになるまで育ててからから男性と離れてラーミアに戻ってくるらしいですから。
 死ぬまで家庭に縛られたくはないが、子どもは欲しい、と考える男性も多いみたいですよ」
「ふうん……。
 棲み分けができてるんだね」
 あたしは感心した。
 そんな方法、発想があるなんて、とても地球ではできないから……。
「……で?
 おれとセインはどうすればいいんだ?」
 ヒカルが苛々したように言った。
「……どうしようもないんですよ。
 UFOは1台しかありませんから」
「だったら、他の星に行って、2人で待ってればいいじゃんか」
「……近くにある惑星は、タバサだけです。
 ただ、タバサは危険なので、そこでさらに分かれたりすると、最悪つかまる事もあり得ます」
 あたしは、リアが何を言いたいのか全くわからなかった。
 ヒカルもわかっていなかったが、セインはなんだか不安そうな顔をしていた。
 最も、常に笑ってはいるのだけど。
「……じゃあ、どうすればいいんだよ?」
「簡単ですよ。
 ……ラーミアは、テクノスター指定はされていないので、検査は監視員が行うだけなんです」
「……どういう意味だよ」
「つまり、わざわざ機械で調べたりはしない、という事です。
 そして、人の目は、簡単にごまかせます」
「……まさか……」
 ヒカルの顔が引きつった。
「幸い、予備はたくさん置いてありますから、2人分くらい簡単に用意できますよ。
 それどころか、異次元倉庫に100着以上しまってあるので、好きなものを選べますよ?」
 そういって、リアは後ろの棚から、あるものを取り出した。
 それは、オレンジ色の、派手なフリフリのスカートだった。
「……冗談ですよね」
 セインが早口に聞いた。
「私が冗談を言うように見えます?」
 ふとあたしが辺りを見回すと、カナとサエがにやにやしていた。
 あたしも、今後の展開を想像したら、自然と笑みがこぼれた。
 そしてふと気づくと、ヒカルとセインは、あたしたち女性陣4人に、完全に包囲されている状態となっていた。
「いや、倉庫の中に隠れていればいいんじゃないのか?」
 ヒカルが聞いた。
 一見冷静を装っているが、その顔は引きつったままだ。
「……でも、もし見つかったら大変ですし、倉庫も異次元空間ですし。
 3日ほどいる予定ですから、食べ物を用意するのも大変なんで……ね?」
 あたしたちはじりじりと2人に迫った。
「で……でも、バレるに決まってるだろ?
 口調とか、名前とか、いろいろで……」
「ヒカルなら女でも問題ないでしょう。
 もともとプロットでは女でしたし。
 それに、最近は男言葉を使うヒロインが人気ですから」
「……あの~、僕はどうすれば……」
「大丈夫ですよ。
 あなたのキャラクターのモデルは女 装が似合うあの執事ですから。
 何でも似合うと思いますよ☆
 ……というわけで……」
 2人の悲鳴がUFOに響いた。

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