Sculpt Comfort MouseとWindows 10のスタート画面の素晴らしさを説明したい
タイトルで全部言っちゃってる系の記事。
一昨年にSurface Pro 2を買った時に、相性の良いマウスとして同時購入したMicrosoft謹製マウス「Sculpt Comfort Mouse」。Pro 4に移行してからも愛用していたのですが、このたび壊れてしまいました。
壊れたといっても寿命とかではなく、床に落としたからなんですけど。
そして、別のマウスにするかどうかなども検討しましたが、最終的には同じものを買い直すことにしました。
4/10まで春のセールで10%オフです。まんまと釣られた。それでも多少高いけど、買うなら今。
で、せっかくなので、このマウスがどれだけ素晴らしいか、そして、その根拠であるWindows10のスタート画面の良さというのを、ちょっと書いていきたいと思います。
(この記事は、Sculpt Comfort Mouseの話とスタート画面の話が混在しているので、どちらかにしか興味のない方は適度に読み飛ばしてください)
Sculpt Comfort Mouseの特徴
Sculpt Comfort Mouseの主な特徴としては、
1.左右非対称×人間工学デザイン。
この独特のデザイン、右親指にフィットするグリップ、左手でマウスを使う人を切り捨てる潔さによって、かなりの持ちやすさ・疲れにくさが実現されています。
名前に ”comfort(快適)” が入っているだけのことはあって、このマウスに慣れると普通のマウスを使っているだけで疲れるようになります。いや、元々疲れていたのに気づかなかっただけなのでしょうけど。
もちろんタッチパネルとかトラックパッドだけでも十分に作業はできるものの、「できる」と「したくなる」では全く意味合いが違います。長時間の作業にはやっぱりストレスフリーなマウスが必要です。
2. ブルートラックとチルトホイール
ブルートラックテクノロジーというのはMicrosoftマウスに共通する特徴で、多少の凹凸のある表面や膝の上などで使うことができます。マウスパッド要らず。椅子や電車の端の席に座って、膝の上にPCを置き、肘掛にマウスを置いて使うのが結構快適です。
チルトホイールは要するに横にも倒れるホイールです。水平スクロールはあんまり使わなさそうに見えて、あるとないとでは結構使い勝手が異なります。特に、Windows10ではスナップ機能(画面分割)がどんどん便利になっているので。
3. スタートボタンのタッチタブ
このマウスの最大の特徴。親指が届きやすい絶妙な場所に配置されているスタートボタン。
このマウスの追加ボタン自体はこれ1つだけなのですが、このスタートボタンをスワイプすることで別のアクションを起動することができるのです。上下それぞれに1つずつ。
私の場合は、現在起動中の全ソフトを一覧表示し、閉じたり仮想デスクトップに振り分けたりできる「タスクビュー」にいますが、Cortanaやアクションセンターを起動させたり、ブラウザの元に戻る/先に進むに割り当てたり、好きに選んで良いと思います。
ボタンが多すぎると何に何を割り振ったか忘れそうですけど、このマウスは「ボタンを押す・ボタンを上になぞる・ボタンを下になぞる」の3種類なので、手の動きと連動して覚えやすいような気がします。なんとなく。
4. スタートメニューをいつでも表示できる
これはSculpt Comfort Mouseの記事なんですけど、実はこの記事で私が一番主張したいのはWindows 8以降のスタートメニューの偉大さを理解すべきだということだったりします。
Windows 8.1時代にタッチ非対応PCで慣れるのを放棄した人、Windows7からいきなり10にアップデートしてスタートメニューを放置している人、Windows10にしてない人、など、とにかくスタートメニューを使っていない人は、間違いなく宝の持ち腐れです。
スタートメニューは絶対に使うべき
私もSurfaceを買うまではWindows 7をずっと使っていたし、それで不自由もしていなかったので、Windows8についてもあまり良いイメージは持っていませんでした。
なので、スタート画面否定派・Windows 8 嫌いの、「スタート画面なんて無くてもいいものをなんで付けたんだ」「わざわざ新しいことを覚えたくない」という気持ちもわかります。
で、そんな私がどうして、Windows8.1のスタート画面が10のスタートメニューより好きというほどのスタート画面肯定派になったかといえば、
Windows 8 tips: 「スタート」がなぜ素晴らしいか、使いこなすための発想の転換
上の記事をたまたま読んだからです。このブログでこの記事の話は前にもしたような気もしますが。
この記事はWindows 8(8.1になる前)の頃に書かれた記事ですけど、8.1でも10でも基本的な思想は変わっておらず、また、Microsoftが説明不足である点も変わっていません。
上の記事を読んでいただければMSの真意はよくわかるのですが、ちょっと長いのと、記事が古いので、私なりに噛み砕いて説明すると、
Windows8のスタート画面、10のスタートメニューは、まさしくスマートフォンでいうランチャー機能、ホーム画面です。
そして、なぜそれがWindowsに必要だったかといえば、Windows 7 時代まではタスクバーとデスクトップアイコンとスタートメニューに分散していたものを、完璧な形で美しく使いやすく統合した結果だからなのです。
よく使うソフト、というか時々使うソフトも含めて画面下のタスクバーに全てピン留めしてショートカット集にしてる人、いると思います。Windows 7の頃は私もそうでした。
デスクトップ画面にソフトのショートカット並べまくってる人、いると思います。Windows XPの頃は私もそうでした。というか、ソフトをインストールしたら勝手に作られますしね。
でも、考えてみてください。タスクバーは名前の通り、本来は起動中のアプリを管理するためのものです。
デスクトップだって、壁紙を見るためのもの……とまでは言いませんが、ファイルを隙間なく並べるためのものではないはずです。もしその意図があるなら、フォルダ機能とか付いていても良いわけで。
そこで、Microsoftは、Windows 8のスタート画面によって、デスクトップとタスクバーとスタートメニューの、ランチャーとしての特性を全て集めて、さらに機能を追加したものを生み出したのです。そして、Windows 10では、その意図がわかりやすくなるよう、Windows7のスタートメニューまでも吸収し、画面遷移をなくしました。
にもかかわらず、スタート画面が発明されたにも関わらずデスクトップにソフトへのショートカットを乱雑に並べている人、タスクバーが埋まるほどにピン留めしまくってる人は、はっきり言って終わってるわけです。
ごちゃごちゃ言っても仕方ないので、私のスタートメニューの使い方を紹介します。左上の個人名にモザイクかけて、ライブタイルはオフにしましたが、あとは今使っているまんまです。クリックで拡大できるはず。
スタートメニューを使いこなす上で最大のポイントは「要らないタイルを全て消すこと」です。初期状態のスタートメニューに置いてある、ニュースだのマネーだのスポーツだのモバイルコンパニオンだの、使わないタイルは全て消します。
現実世界の家の片付けとは違うのだから、とりあえず消して、必要なものは後で戻せばいいのです。私の場合は使ってないFacebookとかも消しました。逆にメモ帳とかペイントは、何だかんだたまに使うので小さく置いてあります。
そして、必要なものだけをスタート画面に残したら、カテゴリ分けとタイルサイズの調整。これこそが、デスクトップではなくスタートメニューをランチャーにする最大のメリットです。まあデスクトップアプリ(いわゆるソフトウェア)の多くはタイルサイズ変えられないんですけど。
例えば、私の場合はTwitterをよく使うし、リプライなども確認したいので横長。メールも同様。LINEは件数だけわかれば十分なので中。……と、情報量と使用頻度を考えてサイズを変えていきます。今は大サイズ(4×4)のタイルはありませんが。
スタートメニューはギリギリまで広げた上で、全タイルがスクロールなしでも全て見えるような数にしていますが、このあたりは解像度と画面サイズと相談。Pro2の頃はどう頑張ってもスクロールが必要だったので、これもPro4の画面拡大・高解像度化のメリットの1つです。
左上は「予定と近況」グループで、カレンダーやToDoリストなど。カメラがここに入っているのはスペースと見映えの都合。左下「設定」にはコントロールパネルやエクスプローラーを中心に「ないと意外と困るもの」を何となく。その他、みたいな感じです。
真ん中の「インターネット」にブラウザやSNS・メールなどをまとめ、「Offce & School」にはOfficeなど大学関係のもの。
右上の「ゲームとエンターテイメント」にはXboxアプリ、KindleやiTunesなど。Xboxアプリは要らない人は消してもいいと思いますが、私はXboxも持ってるので。
アプリの下に小さく並んでいるのはアルバムのジャケット。ここをクリックすると曲を再生できます。
Grooveミュージック、どのくらいの人が使ってるか知りませんが、スタートメニューにアルバムや楽曲へのショートカットを置けるのがとんでもなく便利です。 Grooveミュージックで項目上で右クリックして「スタート画面にピン留め」するだけです。スタートメニューにプレイリストの機能まで取り込まれてしまうという。しかもアルバムジャケットを表示してくれるので見た目も良い。
マイミュージック内の音楽を勝手に登録してくれるので、iTunesで買ったらすぐに反映されますし。
で、右下の「Creative」にはAdobeソフトやVisual Studio、VOCALOIDなど仕事・創作関係のもの。私の場合、仕事で使うソフトと趣味で使うソフトの境界が曖昧なのでまとめて放り込んでます。一番右下の「worktime.xlsx」は勤務時間記録用のExcelファイルへのショートカットです。
ファイルのショートカットの置き方はちょっとテクニカルですが、簡単に説明すると
1. スタートメニューの適当なデスクトップアプリ(Twitterなどのアプリではなく、Chromeなど)を右クリックして、「その他」>「ファイルの場所を開く」を選択 2. いろいろなソフトのショートカットが並んだフォルダが開く 3. ピン留めしたいファイルのショートカットを作成して、開いたフォルダにそのショートカットを移動する(管理者権限が必要) 4. スタートメニュー左下の「すべてのアプリ」の中に出てくるようになるので、それをピン留め
です。上の記事にもやり方載ってます。Windows8時代なので見た目は違いますが、手順は一緒です。
ちなみにフォルダのピン留めはもっと簡単で、右クリックして出てくるメニューの中から「スタート画面にピン留めする」を選ぶだけです。
こういうわけで、おそらくWindows7時代に多くの人がデスクトップやタスクバーでやっていたことを、Windows 8.1~10ではスタートメニューでできるわけです。しかも、色分けされて見やすくなり、アプリもソフトも分け隔てなく並べられて、ダブルクリックしなくても起動できる、タイルとして。
では、スタートメニューに機能を奪われたデスクトップはどうなったのか?
更地です。残っているのはゴミ箱と、どうしてもスタート画面に置けなかったBluetoothテザリング設定用のショートカットだけ。ソフトをインストールした時に作られるショートカットは毎回消してます。別にあっても困らないけど、消した方がすっきりするので。
最近使ったファイルとかをとりあえずデスクトップに置く……みたいな使い方も慣れれば便利なんでしょうが、私はその習慣があんまりなかったのと、Windows10だとクイックアクセスが優秀なので別にいいかなあ……と。
デスクトップと違い、タスクバーにはいくつかピン留めを残していますが、これは起動というより順番を固定するためのものという意味合いが強いです。付箋に関しては、スタートメニュー開くのさえ面倒な時にここからも開けるようにする意味もありますが。
ちなみに、これどのくらい知られてるのかわかりませんけど、スタートメニューのピン留めってタスクバーのピン留めとほぼ同じなので、
ソフトのタイルを右クリックすれば履歴も出てきます。ここでファイル名を右クリックすれば、一覧にピン留めすることも可能。
というわけで、スタートメニューがあれば、タスクバーもデスクトップもスッキリさせつつ、ソフトの起動や移動の際の使い勝手をさらに高めることができるし、
そのスタートメニュー呼び出しをさらに手軽にするSculpt Comfort Mouseは言うまでもなく最強なわけです。
……はい。忘れてると思いますがこの記事はマウスの記事です。
他のマウスとの比較
このマウスを買うにあたって、2台目をわざわざ買い直すのもなー……と思い、いろいろ他のマウスも見てみたのですが、
まず、SurfaceだけでなくXbox OneやMicrosoft Bandも使っているMicrosoftファンとしては、MS製のマウスから選びたいというのがあって。ロジクールのM557とか、評判良いので検討はしたのですが。あと、サブボタンがどこにあるのかよくわからなかった。
で、Surfaceで使う以上Bluetoothマウスで……と考えると、実はMSのBluetoothマウスってそんなに選択肢がなくて、
最近出たコレ↓はサブボタンがない割に安いわけでもなく、微妙。
同じのを買うのが嫌だからと言って、単純に機能が減っただけのものを買いたいわけでもないですし。
で、他のBlueToothマウスと言えば
平べったいDesigner Mouseとか、折り曲げられるArc Touch Mouseとか。
そもそもArc Touch Mouseは昨年すでに買っていて、これはこれで外出先で使うマウスとして愛用しているのですが、Sculpt Comfort Mouseが壊れた際に2週間ほどメインで使用してみて、やっぱり長時間の作業には厳しい、という結論に至りました。
特に水平スクロールがないのが致命的。タッチ式のホイールも、悪くないとはいえどうしても使用感は物理ホイールに劣ります。
これはArc Touch Mouseが悪いわけではなく、携帯性と使用感のバランスの問題なんですよね。Sculpt Comfort Mouseのような、重くて大きくて厚みのあるマウスの方が良い場面もある、という。
というわけで、Sculpt Comfort Mouseは「やっぱり何だかんだ言って普通のマウスが欲しい」という方にオススメです。マウスとしての基本形を崩さず、それでいて人間工学に基づいた持ちやすさと追加ボタンによる使い勝手。派手さはなくても、順当に素晴らしいマウスだと思います。
2016年モデルとの比較
ところで、実はこのマウス、2016年にモデルチェンジしてるんですよね。タイトルにも書いてありますが。
まあ、大々的にアナウンスされてるわけでもないので、大した変更はないだろうと思いつつ、新モデルの方が相対的に安かったのでそちらを購入。
Windows10に正式対応したのがたぶん最大の特徴で、以前(Pro2をWindows8.1からアップグレードした直後)はマウスキーボードセンターから設定しないとスワイプしても何も起きなかったのですが、今回はそもそも既にドライバーをインストールしてあるわけで、そこの変化はわかりませんでした。
あと、ホイールの材質がちょっと変わった(ホイールがラバーになって、コロコロした時に音がしなくなった)ような気もしますが、単にうちの旧モデルが摩耗してるだけかもしれないです。
やはり新品は良いですね。マウスはそもそも消耗品だという考え方もありますし、1年半働いたので十分と考えるべきなのかも……。いや、次はもう少し大事にしたいですが。
あと、スタート画面の話は結構前からしたかったので、この機会にできて個人的に満足。スタート画面の整理、自己満足でしかないけど超楽しいですよ。サイズは変えられるけど微妙に融通が利かないので、テトリスとかのパズルゲームに近い楽しみ方ができます。
3列がデフォなのにタイルの最大サイズは2列なので、2+1か1+1+1が基本になるという。カテゴリー分けがうまくいくと気持ちいい。