2017年個人的ベストソング30曲
毎年やっている、現在のインターネットにおける最も権威のない音楽ランキング。この企画も早いもので……8年目?らしいです。もはやホラー。
過去記事はこちらのタグから⇒タグ:今年のベストソング
今年はちょっと発表方法を変えて、「まず順位と曲名だけを先に全部発表して、その後に改めてコメント付きで1位から解説」という構成にします。
以前は「30位からコメント付きでカウントアップ」でしたが、30位から先に解説していくと、
下位では本来「この曲を好きな理由」に加えて「この曲がなぜ上位じゃないのか」を説明しないといけないのに、その時点では上位はまだ発表していないから不自然だし、「それより上に○○が入っているから」という理由を話せなくなってしまうんですよね。
かといっていきなり1位から発表していくとワクワク感がないので、先にランキングだけ見てもらった上で、書いていこうと思います。
ルールはいつも通り、2017年に発売または公開された音源、CD、ゲーム。
一応今年は「同アーティスト3曲まで」という縛りを設けていますが、結局ランキングを作るとなるとどうしても見映えとバランスを意識してしまうので、仮に縛りがなくても大体こんな感じになったかなあ……という印象です。
順位
30. インフルエンサー / 乃木坂46
29. HOLY GRAiL / ヤなことそっとミュート
28. Behind / 夏目美緒(cv.礒部花凜)、森川葉月(cv.芳野由奈)、小宮恵那(cv.Lynn)
27. 雨とペトラ / バルーン
26. W-KEYAKIZAKAの詩 / 欅坂46 / 真っ白なものは汚したくなる
25. ラブって♡ジュエリー♪えんじぇる☆ブレイク!! / あべにゅうぷろじぇくと feat. 天月めぐる (CV:M・A・O) & 如月すみれ (CV:茅野愛衣)
24. エゴサーチ&デストロイ / ドレスコーズ / 平凡
23. わがまま新生Hominina / ぜんぶ君のせいだ。
22. CALL ME TIGHT / lyrical school
21. TOKYOチューインガム / RHYMEBERRY
20. 正しいままではいられない / パスピエ / OTONARIさん
19. FairyTaleじゃいられない / フェアリースターズ [最上静香 (CV.田所あずさ)、白石 紬 (CV.南 早紀)、所 恵美 (CV.藤井ゆきよ)、ジュリア (CV.愛美)、北沢志保 (CV.雨宮 天)] / アイドルマスター ミリオンライブ! シアターデイズ
18. (dis)communication / パスピエ / OTONARIさん
17. 銀河鉄道のペンギン / Yunomi feat. Nicamoq / ゆのもきゅ
16. 宙ぶらりん / ライターイチキューゼロイー
15. スーパーカー / パスピエ / &DNA
14. Nighthawks / 米津玄師 / BOOTLEG
13. 闇夜に提灯 / 赤い公園
12. インドア系ならトラックメイカー / Yunomi feat. Nicamoq / ゆのもきゅ
11. 春雷 / 米津玄師 / BOOTLEG
10. End Of Summer Dream / Maison book girl / image
9. エキセントリック / 欅坂46
8. フジヤマディスコ / SILENT SIREN
7. 十六歳 / Maison book girl / cotoeri
6. 夏休みのBABY / lyrical school
5. ソシアルクロック / ヒトリエ / ai/SOlate
4. 夢でまたあえたらなあ / Yunomi feat. Nicamoq / ゆのもきゅ
3. 砂の惑星 / ハチ / BOOTLEG
2. アンノウン・マザーグース / wowaka / ai/SOlate
1. Blue Light / Maison book girl / image
いろんな部分で悩んだランキングですが……とりあえずこのような形になりました。
YouTubeにミックスリストを作ったので公開します。一部入っていないものもありますが。
以下、1曲ずつの解説です。
1位~5位
1. Blue Light / Maison book girl / image
MVが上がっていないのでライブ映像で。
私にとっての好きな曲の基準はいろいろありますが、その年の1位に付けるような曲に関して言えば、
「聴くたびに幸せに打ち震える、無限に聴いていたい曲」だと思っています。
譜割りとリズムの気持ちよさ、メロディーの自然さ、歌詞の美しさ。
前年までの『ワールズエンド・ダンスホール』『カラノワレモノ』『リビングデッド・ユース』『サマーファンデーション』『ワンダーグラウンド』など。これらは確かにその条件を満たす曲でした。
そして、今年。いろんな補正を一旦抜きにして、「今年一番聴いた、無限に聴き続けられた曲は何か?」と考えた時、
Maison book girl『image』は特に夏から秋にかけてはほぼ毎日聴き続けたし、毎日聴き続けても一切飽きないアルバムで、その中で一番好きな曲である『Blue Light』は、当然1位だろう、と、
これは10月末に何となく考えていて、後は米津玄師『BOOTLEG』、ヒトリエ『ai/SOlate』という2つのアルバムで、それを上回ってる曲が出てこない限りは1位にしようと決めていました。
結果、私の中でこれを超える曲はありませんでしたので、今年の1位はこれになりました。
とにかくメロディーが美しい。これに尽きます。変拍子とそれを感じさせないポップさというブクガ曲の魅力は去年も語りましたが、
アルバムの最終曲ならではの切なさ・儚さが加わることで圧倒的なエモーショナルさを纏い、そこにアイドルである女性ボーカルが完璧にマッチしている。
ヒトリエ・米津玄師・リリスクといった、楽曲面以外を含めて好きなアーティストはたくさんいて、2010年以降ベストソング記事でこの3組以外を1位にすることはなかったのですが、
今年に関してはブクガを1位にする以外の選択肢はありませんでした。それほどに良いアルバム、良い楽曲です。この曲がMVとして上がっていないのが勿体なく感じるほど。
2. アンノウン・マザーグース / wowaka / ai/SOlate
この曲は評価が凄く難しくて、
wowakaさんが6年ぶりのボカロ曲の制作が発表された時、そんなことはあり得ないといくらわかっていても、私が期待したものは、ヒトリエっぽさの全くない圧倒的なwowaka曲でした。
今のヒトリエの路線が悪いとは決して思わないけれど、その路線に進むことで失われてしまったものも間違いなくあって、wowakaのボカロ曲として発表されるからには、その失われたものをもう一度聴きたかったし、もう一度そんな夢を見せてほしかった。
もちろんこの曲に文句があるわけではなくて、大好きな曲ですし、
実際『アンノウン・マザーグース』は、当時のボカロファンに対するヒトリエの自己紹介曲という面もあったから、あれ以上にボカロ時代に寄せるメリットもあまりなかったと理解はしますが、
ただ、wowakaのボカロ曲として登場した以上、どうしても比較対象は『ワールズエンド・ダンスホール』や『アンハッピーリフレイン』になってしまうし、そのレベルを求めて聴くと、
サビが順当に高速四つ打ちだったら。キーが+1されていたら。(嬰ヘ短調はヒトリエっぽい曲の象徴なので)
みたいなことを思ってしまうもどかしさ、物足りなさが勝りました。
3. 砂の惑星 / ハチ / BOOTLEG
2位も3位もwowaka/ハチ名義なのはボカロ版の方が好きだからです。
結局のところ、私がwowakaさんや米津さんに求めるのは「ボカロ時代のような曲」で、
だって私は元々ボカロ時代のwowakaさんやハチさんが好きでファンになったのだから、ある意味そう思うのが自然じゃないですか。
だから米津さん本人が「過去の自分のボカロ曲のセルフオマージュ」と表現しているこの曲は当然好きになるし、
加えて、「あのダンスホール モザイクの奥」といった過去のフレーズの引用によって、VOCALOID文化、特に「私の好きだったあの頃のボカロ」の集大成のようになっていることがやはり嬉しかったです。
やはり米津さんはどれだけ伴奏を尖らせてもメロディーのポップさが頭一つ抜けていて、この曲のサビの気持ちよさは本当に素晴らしい。一番歌い上げたいところで「イェイ 今日の日はサンゴーズダウン」の語感と音運び。完璧すぎる。
Soundcloudにアンテナを張っているわけではないので、私がYunomiさんの曲を知る機会はBPM15QかYouTubeの違法転載しかなく、
今年ついにYunomi feat. NicamoqとしてのアルバムがリリースされたのでYunomiさんの曲を、本人の望む形と音質と曲順でまとめて聴くことができたわけですが、
唯一無二な曲調の統一感と1曲1曲の完成度の高さ!恐ろしい!
私の趣向として基本的にはクールでアップテンポで叩きつける曲の方が好きなんですけど、それに匹敵するくらいエンディング感のある曲も好きで、
他に例を挙げるならシオカラーズの『マリタイム・メモリー』や、wowakaさんの『プリズムキューブ』、米津玄師さんの『Blue Jasmine』など、
多幸感と終末感が交じり合うことで生まれる独特の切なさみたいなものに惹かれるのですが、
この曲はまさしくそのような、ハッピーな音の中で淋しさが潜んでいる感覚がたまらなく大好きです。。
5. ソシアルクロック / ヒトリエ / ai/SOlate
こちらも『アンノウン・マザーグース』とは別ベクトルに評価を悩んだ曲で、おそらく私がこの数年求めていた「ボカロっぽい中毒性のある高速ロック曲」に最も近いものだと思うし、リフのフレーズもリズムの小気味よさも含めて、ヒトリエ曲としてはかなりの変化球。
『アンノウン・マザーグース』や去年の『ハグレノカラー』と違ってサビも順当に盛り上がるビートで、個人的に苦手な部分が一切見当たらない。
そして何よりサビの前の、「出来るでしょう」「別れを言うよ、別れを言うよ」「出来るでしょう 理解るでしょう 見てるでしょう」と1つずつ増えていく変則的なフレーズ。
個人的に1番と2番のサビの入り方に変化をつける曲は飽きにくくさせてくれて大好きで、(パッと思いつくのが『サマーファンデーション』くらいしかなかったけど)
この曲はそこをさらに推し進めて、「2番ではこう来たか!」「ラスサビではこう来たか!」と二段構えで驚かせてくれる、それでいて規則性がある(=毎回変えようとして無理やり捻っている感じもない)のが発明だと思います。
正直、今年の上位4曲は別格みたいなところがあるというか、この4組を1曲ずつ上位にせざるを得なかったので、その中で5位というのは最高順位に近いと思うのですが、
ただ、『アンノウン・マザーグース』を超えていない部分があるとすれば歌詞で、
こういう歌詞が嫌いというわけでは決してないのだけど、こういう曲にしては歌詞に人間味がありすぎるというか……、もしこの曲名・曲調でボカロに歌わせる選択肢があったら、たぶん歌詞はもっと無機質になっていたような気がするし、そういう世界線を見てみたかったかもしれない。
6位~10位
6. 夏休みのBABY / lyrical school
旧体制の活動終了を経て、5月に新体制で再始動したリリスクの新体制1stシングル。
最近のリリスクはメンバーの意向もあってかなりヒップホップに寄せてきていますが、この曲はリリスク新体制の1曲目だったこともあって、可愛さとヒップホップのバランスが半々に近く、そのバランスが私としてはとても好みでした。
このランキングの中では曲調として明らかに浮いているけど、でもこのサビのパキッとしたリズムであったり、2番のラップパート⇒エモいメロディー⇒サビという展開であったり、
とにかく好きなので許してください。時々こういう自分の好みから外れているのに魅力を感じざるを得ない曲があるんですよね。『雨の街路に夜光蟲』とか『FLYING FAFNIR』とか。
基本的にこのランキングは音源基準で付けているのですが、それでもリリスク曲を語る上ではライブパフォーマンスを抜きにすることはできないし、
その点でこの曲の、全員だけど特にhinakoさんのパフォーマンスの殺傷力の高さは、ランキングを左右するに足る素晴らしさなので必見です。
7. 十六歳 / Maison book girl / cotoeri
こういう曲を年末ぎりぎりにねじ込んでくるの困る!やめてほしい!
正直もうこれは来年に回してしまおうかと悩みましたが、あまりにも良すぎたし来年ちゃんとその良さを書き直せる自信もなかったので入れました。
特に「きっと戻れない日々」「たった一つが欠けて」のメロディーとリズムと歌い方が最高すぎました。「きっと」という単語に対するメロディーの正解だと思います。
Maison book girlとプロデューサー・サクライケンタさんの、全ての曲を貫く圧倒的な個性は、あまりに強すぎるせいで欠点に取られてしまうことがあります。
「いつも同じ作風」だと批判するのは簡単で、個人的には世界中でこの人しか作れない作風ならずっとそれだけやってていい(その作風に飽きたら他の人の曲を聴けばいい)と思いますが、
ただやっぱりそういう批判の声は収まらないし、そこへの回答は「作風を変えようとした結果良い部分まで失われてしまう」か「自分の良さを残したまま上手く雰囲気を変える」かになります。
その中で、ちゃんと雰囲気だけを変えて変拍子もほとんど取り払い、PVでもクールで無機質な印象を変えて可愛いイメージを出し、それでもブクガ曲らしさの魅力は全く損なわれずポップさも全然劣っていないのだから改めてサクライケンタは天才だと確信しました。恐ろしい……。
8. フジヤマディスコ / SILENT SIREN
今年からレーベル移籍して大文字表記になったサイサイ。それまでの『吉田さん』『女子校戦争』『チェリボム』など女子ウケを意識した路線から、ロックバンドとしての面を押すような楽曲が増えてきた感じがあります。(もちろん女子からの支持がメインなのは変わってないと思うけれど)
とはいっても、作編曲のポップさもボーカルの他にはない声質も別に今年からいきなり伸びたというものではないし、おそらくYouTubeに上がってくるような曲だけではなくアルバム収録曲なんかを聴いていたらもっと早く自分の琴線に触れる曲に出会えていた可能性もありますが、
とにかく今年の『フジヤマディスコ』はちょっとぶっ飛んでるくらい良いですね。特徴的なフレーズを繰り返す歌詞、サビ前の早口パートなど、まるでボカロックの王道のような曲構成に、ギターリフとベースの格好よさ、そしてすぅの声質が完璧にマッチしていて、正しく非の打ち所がないキラーチューン。
ほんとこれが邦ロック・ボカロ好きに届いていないのが本当に勿体ないと思います。なんかこう、バンドってアイドルとかアニソンと比べて見つけてもらうチャネルが少ないですよね。ガールズバンドは特に。赤い公園とかパスピエとか、勿体ないと思います。
9. エキセントリック / 欅坂46
坂道シリーズを褒めるとなんだか情弱感が出てしまって困るのですが、
この曲は歌詞としては欅坂のメインストリームたる「マイノリティー応援ソング」を貫きつつ、クールなピアノとラップによってイメージを変えていてかなり好きです。
「お前らこういう曲好きなんだろ?」みたいな曲を投げられたからといって、必ずしもそれを好きになるかというとそうでもなく、『月曜日の朝、スカートを切られた』とか『不協和音』とかは劣化サイマジョとしか思わなくて全然響かなかったのですが、
『エキセントリック』はシンプルに格好良い。まずテンポが速くて好き。表題曲はどうしてもダンスを映えさせるためにそんなにテンポを上げられないのでしょうか。
まあラップ部分はリリスクとかライムベリー聴いた後だとスキル的にはお笑いでしかないのですけど、別にあそこのラップが上手くある必要はなくて、
「現代の中高生の代弁者」という演出なのだからこのたどたどしさが絶対に正解。というか、前述2組は「ラップが上手すぎると格好良いに振れて可愛くなくなっちゃう」というジレンマでむしろ苦しめられてる感が……。
10. End Of Summer Dream / Maison book girl / Image
正直3曲目『Screen』と迷ったんですけど、あんまり似たような曲を上げるのもな……と。
この曲は7/4拍子、というと奇抜だけど、感覚的にはむしろ3拍子+4拍子でずっと変拍子が続いているような。
ブクガの「変拍子なのにそれを感じさせないポップさ」なんてもう去年からみんな言ってるから今更ではあるけど、でも7拍子の曲でここまで聴いていて気持ち良いのは凄すぎると思います。
11位~15位
これ以降は、読み込みが重くなりすぎないように、動画ではなくテキストリンクのみで紹介している曲があります。主に同じアーティストの2曲目など、貼ってもあまり聴いてもらえなさそうなものを割愛。
11. 春雷 / 米津玄師 / BOOTLEG
https://www.youtube.com/watch?v=zkNzxsaCunU&index=9&list=PLaO1wZg-PvGHTIqLTIb5tMZUYDnzZyz9b
米津さんの2年ぶりのアルバム「BOOTLEG」は、個人的な好き嫌いのみで語るなら期待を超えてこなかったという印象です。そもそも既発表曲が多かったために新鮮味が薄く、『砂の惑星』『LOSER』という個人的キラーチューンを超える曲もなかったし、アルバム全体としてもどうしても纏まりに欠けていた感じ。
ただ曲単位で見るとこの『春雷』は好きです。正直米津さんの曲でサビの歌い上げ方が良いなんてのはもう当たり前すぎるのですが、この曲はそこに至るイントロからサビまで、全体通して電子音とマリンバの使い方が完璧。バンドじゃないことの強みを改めて感じます。別にバンドがこういう曲を作れないというわけではなくて、それを「やろう」とわざわざ言わなくても当たり前にできる発想のしやすさというか。
ところで曲とは関係ない余談として、米津玄師本人と、REISSUE RECORDSアカウントをはじめとした米津さんのスタッフ陣はSNSの使い方が抜群に上手いと思いますが、時々上手すぎてあざとさが鼻につくことがあります。このMVの「Twitterフォロワー&YouTube登録者100万人突破記念!」って、いや、当然もっと前から準備して達成待機してたんでしょ? そこの建前って必要なのかなあ……。
12. インドア系ならトラックメイカー / Yunomi feat. Nicamoq / ゆのもきゅ
意味のない歌詞、ほぼメロディーのない言葉の羅列。
Yunomiさんのインストと、ボーカルにかもきゅさんの声の可愛さという成分だけで作られた曲ですけど、逆説的にその2つの魅力を存分に感じられる曲です。
聴いてて「ファッションセンター」「トラックメイカー」のところついつい口ずさみたくなる。気持ちいい曲というのはこういう曲を言う、というお手本のような。
それにしてもこの曲、まるで音MADみたいですよね。『○○は××かわいいシリーズ』とか思い出す。
13. 闇夜に提灯 / 赤い公園
『六兆年と一夜物語』が登場して以降、毎年六兆年に似てる曲が登場している気がします。ということは別に六兆年が元祖ではなくその前からあったんだと思いますが、
『林檎華憐歌』とか『ニッポン笑顔百景』もそうだし、今年たまたま聞いた銀魂のED『カゲロウ/ЯeaL』なんかもそうで、この曲もそう。なんとなく和風な感じもありつつポップで聴き馴染みの良いこのメロディーからはもう逃れられないんでしょうね。
なのでそういう六兆年に似てるというのは減点対象にはしないことにして、もう単純にカッコよすぎなので好きです。「明けない 明けない このミッドナイト」っていう頭から歌詞が良い。
前に別の記事でも書きましたが、赤い公園って何となくどの曲も好きなんですが、例えば米津さんでいう『LOSER』『ドーナツホール』みたいな、もう本当に大好き!!っていうレベルの曲がなくて、どうも推しきれなかったのですが、この曲のおかげで赤い公園で一番好きな曲が一発で決まりました。
サイサイの『フジヤマディスコ』と同じく、(私の中で)赤い公園のキラーチューン。
ボーカルの脱退というニュースはありましたが、作詞作曲の津野米咲さんは残っているので、来年どのように進化していくのかが楽しみ。パスピエのようにまた新しい一面が開花することを期待したいです。
14. Nighthawks / 米津玄師 / BOOTLEG
『春雷』と同じで、米津さんの曲はサビで全部持っていく強さがあるので、あとはそこまでに飽きる要素がなければそれだけで好きな曲になるわけで、
この曲は最初の静かな入りからひたすらエネルギーを溜めて溜めて、しかもサビ直前で一旦歌唱なしのパートを挟んで、そこから転調後のサビで一気にエネルギーを放出する! 「サビに全てを持ってくる」曲としてパーフェクト。
ここでサビが消化不良だと何とも言えない曲になるわけですが、実際そうなってるのが『絶対的』だと思ってます。『アンノウン・マザーグース』は確信犯だから別にいいですけど…。W&W以降のヒトリエは本当に「サビでもっと王道のメロディーとコード押さえてくれれば……」みたいなことが多すぎる。
15. スーパーカー / パスピエ / &DNA
真っ当に電波曲というかカッコいい系の『ハイパーリアリスト』『メーデー』などとも迷ったのですが、「&DNA」で一番好きな曲はこっそりこれでした。美しいメロディーと大胡田なつきさんの声が噛み合っていて、張り上げるような曲になっていないからこそサビでボーカルの芯の強さが映える。複雑な曲展開もまさにパスピエならでは。
16位~20位
16. 宙ぶらりん / ライターイチキューゼロイー
テンタクルズ・ヒメの中の人、いとうりなさんがボーカルのバンド。
歌詞、曲、歌い方、悪い点は全然なくて、好きな曲ではあるけど、強いて言うと驚きが薄い感じはあります。歌詞も曲も。まぁ2番はこんな感じのアレンジになるよね、とか、言葉選びもカッコいいけど別に驚くような使い方はなかったり、別にそれが悪いとかではなく、好きだけど大好きじゃない、みたいな……いや凄い難しい。
「綺麗な妄想は未来ばかり見せて」のリズム感とかかなり好きなんですけどねー。ただ次の曲が気になるバンドなのは間違いないです。赤い公園も去年こんな感じの印象から新年1発目が『闇夜に提灯』だったんで、楽しみ。
あとバンド名の表記はLighter190Eの方が短くて書きやすくて良かったと思うんだけどな…
17. 銀河鉄道のペンギン / Yunomi feat. Nicamoq / ゆのもきゅ
銀河鉄道モチーフでペンギン、だと何となく『輪るピングドラム』を思い出すのが主な理由。
に加えて、サビの「ペンギン」っていう単語の置き方、リズムが絶妙。あのタイミングにペンギンがなくても歌詞としてもメロディーとしても成立するけど、あそこにペンギンがいることでグッと締まる。あのフレーズを発想するのは凄すぎると思います。
18. (dis)communication / パスピエ / OTONARIさん
https://www.youtube.com/watch?v=Q6p2L4fy2g8&index=14&list=PLaO1wZg-PvGHTIqLTIb5tMZUYDnzZyz9b
パスピエ。元々特徴ある声にエフェクトをかけるのはどうなんだろう?と思ったけど見事にパスピエの新しい表現を提示しています。
19. FairyTaleじゃいられない / フェアリースターズ [最上静香 (CV.田所あずさ)、白石 紬 (CV.南 早紀)、所 恵美 (CV.藤井ゆきよ)、ジュリア (CV.愛美)、北沢志保 (CV.雨宮 天)] / アイドルマスター ミリオンライブ! シアターデイズ
ミリシタ新曲。実は作曲がkemu(堀江晶太)。まあ1個下の曲とタイトル似てるから並べたんじゃないのかって言われたらその通りなんですけど。
ミリマス曲ってたくさん聴いてる割に意外とハマらないのはやっぱり「どこにでもある曲すぎて惹かれない」というのが大きくて、それはまあ、ミリマスの音楽に求められるものってまず「ライブ映え」「ダンス」「コールしやすさ」「歌詞のキャラクターとのリンク」で、そうするとあんまり攻めた楽曲はライブに不向きだから作れないんだろうなあとも思いますが。
イントロのシンセとピアノのフレーズで唯一無二の個性が出ているこういう曲を聴くと、やっぱり「ミリマスだから」じゃなくて「作曲者が」という理由でしかないのだなと思いますね。
20. 正しいままではいられない / パスピエ / OTONARIさん
https://www.youtube.com/watch?v=Wpddp10RZDM&index=16&list=PLaO1wZg-PvGHTIqLTIb5tMZUYDnzZyz9b
パスピエ。ドラム脱退という大きなイベントを経て出たミニアルバムは、結果的により作曲の自由度を上げたんじゃないかと思うほどに新しくてカッコいい曲の揃ったものになっていました。
特にこの曲はイントロのピアノの暴れ方から始まって、むしろこの曲がちゃんと違和感のないポップとしてまとまってることが凄いと思いました。歌詞もそういったバンドの紆余曲折を反映したようなものになっていて印象的。まず曲名からいろいろ思わせますからね。
ただShort Ver. が良すぎたので期待したらFullはそこまででもなかった……いや十分良かったんですけど、Shortからさらにもう一展開はなかったのでちょっと退屈に感じたので、こんな感じの順位にします。
21位~25位
21. TOKYOチューインガム / RHYMEBERRY
ライムベリーについては全ての曲を追ったりしているわけではないので何とも言えないのですが、ライムベリーのこの曲はリリスクと逆にメロディーを強く押し出してる気がします。
というか、ヒップホップというジャンルが好きでない私がこういうランキングでヒップホップ曲を評価すると、「メロディー部分やインストの魅力-ラップ部分の苦手の度合い」という計算式にならざるを得なくて、
その点で「江戸からはじまり400」とかのラップ部分はやっぱ苦手だし、山手線の駅名組み込むところとかもうダジャレじゃんという感じもあるし、あとそもそも日本賛美みたいな歌詞の内容も嫌いなんですけど、
ただこの曲インスト部分の可愛い音作りとか音のハメ方が凄く綺麗で好みなのと、1番の「ね!む!ら!せ!なーい!」の気持ちよさが圧倒的だったのでリリスクのCALL ME TIGHTより上に付けました。何となく定期的に聴きたくなるんですよねこの曲。中毒性が高い。
22. CALL ME TIGHT / lyrical school
https://www.youtube.com/watch?v=SLsufif2cfo&index=18&list=PLaO1wZg-PvGHTIqLTIb5tMZUYDnzZyz9b
楽曲的な面で、新生リリスクをどう評価するかというのは凄く難しくて、旧体制だった去年は1位に『サマーファンデーション』、5位に『恋わずわず』を付けました。
ただそれは、旧リリスクの、ヒップホップ文脈のラップとJ-POP的なメロディーのバランスが自分にとってちょうど良かったからで、新体制はそれよりヒップホップの度合いがかなり高いので、どうしてもその分「自分の好み」から遠のいてしまう部分はありますよね。それに文句を言うつもりはありませんが。
もちろん、それがイコール嫌いになるわけではありません。CALL ME TIGHTは雰囲気も好きだしメンバー5人の可愛い部分が存分に出ていて好きなので、こういう位置に入っています。
23. わがまま新生Hominina / ぜんぶ君のせいだ。
https://www.youtube.com/watch?v=hWX4NnVeEgY&index=19&list=PLaO1wZg-PvGHTIqLTIb5tMZUYDnzZyz9b
昨年末にメンバーの脱退などいろいろあった「ぜん君」。メンバーチェンジを経てビジュアル偏差値は上がったような気がしなくもないのが複雑で、その結果「病みかわいい」というコンセプトが若干揺らいでいる感もあるのですが、
ただこのアイドルは作詞・GESSHI類、作曲・水谷和樹のコンビによる、常人の発想にはないメンヘラ全開の歌詞と、でんぱ組をさらに煮詰めたような尖った曲がある限りは大丈夫じゃないかなあとも思うんですよね。
特にこの歌詞の、メンヘラ特有の言葉選びとネットスラングの多用で、他のアイドルとは一線を画したワードセンスは毎回凄いなあと思わされます。この曲で言えば「ねぇ何故笑うの?あたしの心臓潰すの?」っていうフレーズとか。
24. エゴサーチ&デストロイ / ドレスコーズ / 平凡
『溺れるナイフ』で存在を知ったドレスコーズの楽曲。歌詞も曲もテーマ性も全て好みだけど、特にPVの発想が凄い。どうやったらこれを思いつくのか……。
歌詞も。「アイマイミー」をモジる歌詞ってもうかなり使い古されている感じはしますが、ここまで掛詞を連打されるとありきたりな感じが全くなくてただただ圧倒されます。
25. ラブって♡ジュエリー♪えんじぇる☆ブレイク!! / あべにゅうぷろじぇくと feat. 天月めぐる (CV:M・A・O) & 如月すみれ (CV:茅野愛衣)
元々『快盗天使ツインエンジェル』のアニメ1期のOPが大好きで、その2期のOP、しかもボーカルがこの2人ということでその時点でもう期待しかしていなかったのですが、期待通りの電波曲でした。
私のスローテンポな曲が苦手な理由として、「聴いていて飽きる」という部分が大きくて、しかも1番と2番で大した展開もなかったりすると、もう2番の最中で「はいはいわかりました」ってスキップして次の曲に行っちゃう、みたいなことです。
なのでその逆に、1曲の中に展開と歌詞が詰め込まれた過圧縮な楽曲こそが至高で、これはまさにそういう曲です。1分半の中に歌詞の詰め込み方がえげつない。
26位~30位
26. W-KEYAKIZAKAの詩 / 欅坂46 / 真っ白なものは汚したくなる
https://www.youtube.com/watch?v=s8j9hva3luI&index=22&list=PLaO1wZg-PvGHTIqLTIb5tMZUYDnzZyz9b
バックグラウンドやコンテクストを無視して音楽単体を評価することは不可能だと思うのですが、この曲は本当に「欅坂というグループを好きかどうか、そのグループの歩みを追ってきたかどうか」で評価が大きく変わると思います。その上で、私自身が欅坂にそこまで思い入れがあるとは言いづらいのですが、この曲の、過去の振り付けとグループの歴史を暗示するPVの演出そのものが非常に好みです。
27. 雨とペトラ / バルーン
https://www.youtube.com/watch?v=PdfdOhYVU40&index=23&list=PLaO1wZg-PvGHTIqLTIb5tMZUYDnzZyz9b
VOCALOID。最近のボカロ曲はほとんど知らないのですが、『裏表メドレーDX』を作る際に聴き漁った曲の中で断トツにハマりました。音域を考慮しないサビのメロディーの飛び方、明らかに打ち込みで作られたドラムパターンに支えられた高速四つ打ちロック、書き言葉だけで構成された文学的な歌詞。ボカロックはこうであってほしいです。そもそもボーカルの友達がいない人々のためにあるのがボーカロイド文化なのですから、バンド演奏とかは邪道なのです。
28. Behind / 夏目美緒(cv.礒部花凜)、森川葉月(cv.芳野由奈)、小宮恵那(cv.Lynn)
アニメ『Just Because!』エンディング。作詞作曲はやなぎなぎさん。
好きなアニメのEDという補正はどうしても外して考えるのが難しい部分はあるのですが、それを抜きにしても歌詞の突き刺さり方、3人のボーカルが複雑に組み合わさったパート分けの妙など、曲単体としても見どころが多いと思います。
29. HOLY GRAiL / ヤなことそっとミュート
https://www.youtube.com/watch?v=pgUaPPcrhnQ&index=24&list=PLaO1wZg-PvGHTIqLTIb5tMZUYDnzZyz9b
ヤなミュー。Lilyと迷いましたがこちらで。「バンドサウンド」と「バンド」の違いが、練習量や気持ちの入り方などの物語にしかないのであれば、それは曲の良し悪しとは少しも結びつかないので、バンド的な曲を聴くのにヤなミューで困ることはないんじゃないか、という個人的な感覚は少しも揺らいでいません。
30. インフルエンサー / 乃木坂46
https://www.youtube.com/watch?v=r4SdiT7mm7Y&index=25&list=PLaO1wZg-PvGHTIqLTIb5tMZUYDnzZyz9b
欅坂以外の48とか坂道はあんまり好きではないのですが、この曲はハマりました。定期的に聴きたくなる。ヒム子コラボも良かった。
総括
ランキングを始めた2010年からずっと入っているヒトリエ(wowaka)・米津(ハチ)といういつもの2人に、去年からドハマリしたブクガ・リリスク、そこにYunomi(ゆのもきゅ)が加わり、
この5組が大半を占めるランキングになりました。他にも入れたいアーティストたくさんいたので、相当削りましたが……。
何だかんだヒトリエは新譜出るたびに文句言いつつ去年も今年も上位に入れてるので、文句言いつつも結局好きというツンデレ的なところに着地してしまいます。そろそろスルメ曲じゃなくて一発目から好きになれる曲が聴きたいけど、今の自分の要求の高さからしてそんな曲が存在するのかという謎も残る。それこそ米津さんの「ゆめくいしょうじょ」みたいにWEDHリメイク出されるくらいしか……。
リリスクは新体制曲が微妙に自分の好みとマッチしにくくなっている気もしますが、とはいえ旧体制だって全部の曲が好きだったわけでは全くないので、そのうち自分に刺さる曲もあるんじゃないかなあなんて思ってます。
来年はどんなランキングになるでしょうか。年末にはまた絞り切れないくらい好きな曲が増えているのが楽しみです。少なくともブクガのアルバムが出たら絞り切れないくらい悩むだろうな……。
ちなみに「今年初めて聴いたけど発売は去年だったので泣く泣く対象外」の曲は、地下アイドルに出会って一気に音楽的視野が広がった去年ほどは多くないですが、
ももいろクローバー『マホロバケーション』、sora tob sakana『広告の街』、欅坂46『僕たちは付き合っている』あたり。特に『マホロバケーション』は本当に大好きなメロディーラインで最高。去年のうちに知っておきたかった……。
おまけ:選外
50位くらいまで集計するなら入るかなあという曲たちをいくつか。ブクガとYunomiさんの曲は全部好きなので省略。
NAI.(ヒトリエ)、飛燕、ピースサイン(米津玄師)
BOOTLEGは正直Bremenに比べるとちょっと物足りない印象というか、刺さる曲がちょっと少なかったです。好きなアルバムですが。
Concrete Jungle、つれてってよ(lyrical school)
リリスクも悩んだけど「楽曲単体の好き」でいうとちょっと入りにくい感じはします。ただワンマンライブの新曲「PIZZA」とかは面白そうだし、音源化されてないものも含めて来年発売されるアルバムに収録される曲は楽しみなものが多いので、たぶん来年のランキングにはガンガン入ってくると思います。そうあってほしいという期待も含めて。
フルスロットル・テンタクル、あさってcolor(Splatoon2)
別に対象外というわけではなく、今作では30位以内に入るほど好きになる曲がなかった。強いて言えば好きなのはこの2曲。
瑠璃色金魚と花菖蒲(ミリシタ)、SURVIVOR ねばーぎぶあっぷ!、せかいのっびのびトレジャー!(ガルパ)
ミリシタやガルパといった音ゲーで繰り返し聴くことになる曲は、どうしてもスタミナ消化の作業とセットの思い出になるので、あまり曲単体で良いと感じることが少なくなってしまうのがネック。それでも『FailyTaleじゃいられない』くらいカッコよかったら普通にハマるので、ガルパに関しては単にELEMENTS GARDENがあんまり好きじゃないだけかも。
Pop-Up Dream!(Pyxis)、adrenaline!!!(TrySail)、PRINCESS POLICY(芹澤優)
声優系の曲は嫌いじゃないけど、どうしても可もなく不可もなくみたいな印象の曲が多い……。
ribbon(sora tob sakana)、20XX(夢みるアドレセンス)、かくしぇーむ(CY8ER)
アイドル系もキリがなかった。CY8ERはどうもBPM15Q時代と比べてパワーダウンしている感が否めない。