『青春ブタ野郎はランドセルガールの夢を見ない』感想とアニメ1話のこと
現在私が追っているラノベは青ブタと禁書しかなくて、
10月から両方のアニメが一気に始まるとともに最新刊が同時に出てという個人的に最高のお祭りが先週あったわけですが、とりあえず青ブタの話からします。
アニメ1話『先輩はバニーガール』
AbemaTVで配信中のほか、Prime Videoでも1話は無料(2話以降有料)なのでいろいろ観れます。まだの方はぜひ。
とはいえまあ……原作既読からするとどうももやもやしてしまいますね。
いろいろ展開早すぎて。アニメにする以上は仕方ないのでしょうけど。
アニメにするにあたって、「生理か?」みたいな作中でパンチのあるシーンばかり拾ってしまった結果、咲太が典型的なイタい中二病みたいになってしまうのも、うーん……という。
ニコニコだとそのへんの無粋で何もわかってないコメントが多すぎて最後まで観れませんでした。AbemaTV最高!
「お前誰?」「人間ですが」というぶっちゃけ原作でも痛々しかったやり取りをさらっと流したり、スタッフ側もそういう感覚は持ち合わせてるようなのが救いですけど、小説では魅力的なやり取りが声と映像で見せられると全然なくなっちゃってるなあと……。
何でもない会話だったり心理描写だったり地の文だったり、そういう細かいところの積み重ねと読者への揺さぶりがこの作品の最大の魅力だと思うので、あんまりアニメ向いてないんじゃないかなあと思いました。
まあでもこれは原作大ファンだからこそ感じる不満であって、アニメから入ったら全然気にならないのかもしれません。
アニメに関しては学校・社会への風刺・問題提起みたいなことを全部捨てて、心理描写の丁寧さも捨てて、
不思議現象を論理で解決するストーリーラインと伏線回収の美しさにフォーカスしようと最初から割り切っているのかもしれません。それでも普通に面白いアニメとしては成立するでしょうし。
でもアニメ気に入った方はその2万倍面白い小説読みましょうね!
『ランドセルガール』感想
そんなわけで青ブタ最新刊ランドセルガール。
気づかなかったのですが、いつの間にか文庫版発売日とKindle版発売日がズレなくなったんですね。
8巻は1ヶ月遅れという嫌がらせだったので、8巻9巻だけBook☆Walkerで買っちゃったのですが。
別に2巻くらい買い直すのは良いんですけど、禁書が相変わらずKindle版発売されてない……。
禁書もKindle版配信してくれれば心置きなくBook Walker捨ててKindleに絞れるんですけど。まあでも次から青ブタはKindleでいいかな。
まあそれはそれとして、ここからネタバレです。
小学生の麻衣が登場という前の巻の終わりがどう転ぶかと思ったら、そうではなく、今回は咲太自身の悩みを解決するという方向でした。
ちょうど個人的にも家族のことだったり兄弟のことだったり……まあいろいろあったので、そのあたりも含めてかなり心にくる回でした。人が誰かから必要とされること、必要とすること、必要とされているという確信を得られること。
ラストでは鴨志田先生の、物語的な演出のために勿体ぶらずに作中時間をぶっ飛ばすクセが発動。
Just Because!もさくら荘もそういうところがありましたが、その2つは最終巻の話だったので、今回は特に衝撃。普通だったら絶対引き延ばしそうなのに……。
とはいえ、時間軸としては大きく飛びましたが、8~9巻で張られた伏線や残された謎もいくつかあり、そこに踏み込んでいく話になりそうな気がします。
……しかしそもそも大学生って「思春期」に含まれるのか?
ひょっとしたらそのあたりもテーマに組み込まれるのかもしれません。「いつ大人になるのか」みたいな話がちらほら出ていましたし。
映画化が発表された原作6巻『ゆめみる少女』と7巻『ハツコイ少女』で物語的にはひと段落していて、それまで張られていた伏線が一通り回収し終えました。正直あとがき読むまで終わるのかなと心配になりました。
7巻から8巻まで1年半空いたのは、Just Becauseだったりで鴨志田先生が忙しかったこともあるのでしょうが、作品スタート時に計画していたネタを出し切ったところで、次の展開をどう組み立てるかを考えていたのではないかと思います。
綺麗に高校生の話として終わらせずに、大学生編を銘打つのは、当然何か考えがあってのことでしょうし、
であれば次巻でいきなり終わることもなく、結構大きな仕掛けがこれから始まるのではないでしょうか。とても楽しみです。