au 新料金プランをなるべく簡潔にまとめる
au 新料金プランが発表されました。
「新ピタットプラン」「フラットプラン7」「auデータMAX」の3種類。
単純に興味があるのと、家族全員でauを利用している関係で、auの料金体系は毎回かなりしっかり調べるんですが、
今回の料金プランは過去最高に複雑だとして各所から批判されています。
auの新プラン、複雑過ぎて意味がわからないので、記事を書くのを諦めました。他の媒体を読んで下さい。
— すまほん!! (@sm_hn) May 13, 2019
とはいえ、「よくわからないから今のままでいいや」というのもキャリアの思う壺なので、条件を必死に見て、何となく把握しました。
新auピタットプラン | au とそのリンク先を見て調べながら書いていますが、もし間違いがあったらすみません。
Contents
簡単なまとめ
新料金を一覧にすると下の表のようになりました。
こう見ると意外とわかりやすいのではないでしょうか。
過去の料金との比較は一旦置いておいて、
4GB以下に収まるなら新ピタット(数ヶ月に1回4GBを超えるくらいならアリ)
4~7GBならフラット7
- 普段8~10GB程度で使えてる方も、通信制限覚悟で突っ込むのはアリかもしれない
それ以上ならフラット20か25
家にWi-Fiがなかったりで毎月20GBでも足りないならデータMAX
これ以外のプランは新規入会の受付が終了するので、当たり前と言えば当たり前ですが、こういう選び方になります。
家族割プラスの是非
今回導入された家族割プラスに対するスタンスを先に書いておきます。
条件が「同居している家族3人以上が指定のプランに加入」となかなか厳しく、しかも家族割を前提としていた料金を広告に記載しているというのは、批判されて然るべきものではあると思いますが、
もう独身の方はMVNOに移った方が賢明だと暗に言っているような気もします。
固定回線でスマートバリューを組まないと高くなるという状況も以前から変わっていませんし、それが推進されただけ。
私自身は、実家暮らしで、家族4人+iPad 2台の計6台を契約し、auでんきとauひかりに加入して、au wallet ゴールドに入会してau walletポイントを貯めまくり、Netflixもauのセットプランで入会するという方法により、auに魂を売った側の人間です。
そういう同梱商法に可能な限り乗った上で、iPadのよくわからない毎月割とか、スマホのアップグレードプログラムとかを併用して機種代金の割引を受けつつ、
それでも維持費が格安スマホより多少高いのは、データ量と通信速度などの安定性を加味すれば仕方ないか……と思っています。
逆に、「家族4人でau使ってるのに、何で家族間通話無料しか恩恵受けられないの?」という不満がここ数年あったので、今回の家族割プラス導入は割と嬉しかったりします。
ということで、この後の記事でも、基本的には「家族3人以上で回線契約している場合」にお得になるのかどうかを書いています。
これまでのプランから変更すべきなのか
一番難しいのはここだと思うので、場合を分けて説明します。
データ定額プランに入っている場合
以前からある「データ定額」は、いわゆるauが喧伝する「4割下がった」の比較対象になっているプランなので、基本的には変えるべきです。わざわざ比較するまでもなくグッと下がります。
ただ、機種代金を分割で割り引く「毎月割」が入っている場合は別で、
例えばiPhoneを買ってから2年経っていない場合などは、プラン変更すると毎月割が打ち切られ、結果的に高くなる、または大して変わらないことはあり得ます。
とはいえ、分離プランがメインになってからそれなりに経ったので、今はデータ定額の方も、そろそろ毎月割が切れるのではないかと思いますが。
「端末代と通信量の分離」というのは、「機種変更と同時に特定のプランに入っても別に安くならない」という意味でもあって、
つまり今続いている毎月割さえ切れたら、機種変更のタイミングを待たずにどんどんプランを変えて良いということです。「秋にiPhone XIが出た時に考えよう」とかは無意味です。
旧ピラットプランに入っている場合
旧ピタットプランを使っている人は、家族3人以上なら100%変え得です。
そうでない人も基本は変えた方が良い。
データ通信量 旧料金 新料金 ~1GB 2980円 2980円 ~2GB 3980円 - ~3GB 4480円 - ~4GB - 4480円 ~5GB 5480円 - ~7GB - 5980円 ~20GB 6480円 -
5段階から3段階に変わったので、1~2GBにちょうど収まっていた方はもしかしたら高くなるかもしれませんが……。
あとは5GB超えた時に旧料金だと20GBまで速度制限の対象外でしたが、5GB超える月があるような方はどう考えてもフラットプラン入った方がいい。
ちなみに、広告で安く見せるためのトリック施策として、上記の表から
- 旧ピタットは「プラン変更から1年間は毎月1000円割引」
- 新ピタットは「家族3人以上なら永年1000円割引」
となりますので、旧ピタットプランに入って1年以内かつ同居家族が2人以下ならまだ変えない方が良いかもしれません。
フラットプラン20に入っている場合
以前のピタットプラン/フラットプランは、「月々のデータ通信量が3GBを超えるなら20GBにした方が得」という無茶苦茶な状態でした。
(ピタットプランの3~5GB利用時の料金と、フラットプラン20の価格差が20円しかないため)
「auピタットプラン」と「auフラットプラン」の選択基準は「毎月のデータ通信量」です。
毎月のデータ通信量が3GB未満の場合、「auピタットプラン」がおすすめです。 毎月のデータ通信量が3GB以上の場合、「auフラットプラン20」がおすすめです。
「auピタットプラン」と「auフラットプラン」どのプランにすればいいかわからない | よくあるご質問 | サポート | au
こんな有様なので、仕方なくフラットプラン20を選んでいた方もそれなりに多いのではないかと思います。
今回導入された「フラットプラン7」は、ちょうどいい容量設定かつTwitter・FaceBook・Instagramがカウントフリーというオマケつき。
「3GBは超えるけど20GBは多すぎる」という方が、今回の新プランの恩恵を一番受けられるのではないかと思います。
これまでの使い方で7GBをちょっと超えちゃうなあという方も、
- SNSカウントフリー
- 速度制限時の通信速度が128kbpsから300kbpsに緩和
- テザリング無料
という利点があるので、現在の使用量が10GB前後くらいなら、速度制限覚悟で7GBのプランに変えるというのもアリなんじゃないかなあと思ったりします。
フラットプラン25 + Netflixパックに入っている場合
たぶん今回の変更は関係ないです。対抗馬になるプランが特にないので。
強いて言えば、「フラットプラン25」と「データMAXプラン」の価格差が¥880しかなく、テザリングを考慮すると¥380の差なので、
- テザリングオプション契約中である
- Netflixとビデオパスを一切観ない
- 25GBでも足りないことがあり、テザリングとスマホの両方で通信量を多く使っている
という方はデータMAXプランを検討して良いかもしれません。
フラットプラン30に入っている場合
どちらもスマートバリュー込みで計算しますが、
「フラットプラン30」が¥7,500、「auデータMAXプラン」が¥6,980なので、データMAXプランの方が得です。
ピタットプランの変更と同様で、
- フラットプラン30は「プラン変更から1年間は毎月1000円割引」
- 新ピタットプランは「家族3人以上なら永久1000円割引」
という違いがあります。ただ、結局1年経ってるなら独身でもデータMAXの方が得だということです。
どちらかというと比較対象は「フラットプラン25+Netflixパック」です。5GB減っても良いならこちらに変えるのもありなのではないかと思います。
あと、データMAXプランはテザリング無料なので、フラット30でテザリングオプション付けてる人はさらに変え得。
auフラット学割に入っている場合
2018年12月~2019年5月に実施されている学割キャンペーンですが、
https://www.au.com/mobile/campaign/gakuwari/
このキャンペーン、やっていることは3ヶ月間¥2,000引しているだけなので、今すぐ契約して3ヶ月経ったら新プランに移ればいいんじゃないですかね……。
電話を全く使っていない場合
これまでのピタットプランでは、割引を最大限効かせる条件に「カケホ(通話無制限、¥1,500)またはスーパーカケホ(通話5分無料、月¥500)を契約すること」というものがありましたが、今回の新プランではそれがなくなりました。
電話の契約は必須ではなくなり、その代わりに「通話定額ライト(¥700)または通話定額(¥1,700)」とこっそり値上げされました。ただし通話定額ライトは加入から12ヶ月間は¥500です。
何が言いたいかというと、全く電話を使っていない人であれば、新プランに乗り換えることでさらなる値引きが見込めるということです。
総括
今回のauプランの何がわかりにくいかという話なのですが、今回用意された料金プラン自体は悪くないと思っています。「4割値引き」という主張が当てはまるかは別にして、以前より安くなったことは間違いないし、プランとしても整理はされていると思います。
特に、ここ数年のauの常套手段だった、「加入後12ヶ月1000円引」「加入後3ヶ月2000円引」などの悪質な割引がほぼなくなったので(auデータMAXのみ残っていますが)、
これまでのプランよりも計算しやすくなった点で評価できると思っています。
なので今回の新料金プランをややこしている要因は新プランそのものではなく、去年までのプランが併存していることにあるのではないかと思います。
「フラットプラン20・25はテザリング有料・カケホ1500円・家族割プラス対象外」「ピタットプラン・フラットプラン7・無制限はテザリング無料・カケホ1700円」という微妙な違いに、
「提供がスタートした時期が違うから」以外の合理的な説明がつけられない。
こんなことになるのであればいっそのこと、
家族割プラス対象・テザリング無料化・SNSカウントフリーの「フラットプラン20プラス」「フラットプラン25プラス Netflixパック」を提供すればもっとすっきりしたのではないかと思うのですが……。
まあそういうことで、いろいろ言われていますがau新料金そんなに悪くないと思います。
というかよくわからない方は、とりあえずauショップに行って「結局私はどの料金プランに変えれば安くなるんですか?」って聞けばいいんじゃないですかね。格安スマホより高い理由の1つが、auショップで手厚くサポートを受けられるコストなのですし、
値下げ幅はともかく新料金プランにすれば安くなることは間違いないので。
「新料金プランと格安スマホとどっちがいいのか」って話に関しては、「格安スマホの方が最低料金は安いけど、価格差は縮まってきているし、安定性などを考えたら一長一短」ということでしかないので、もうそれは好きにすればいいと思うんですけど、
「わざわざau解約して格安スマホを契約するのは面倒だけど携帯料金は高いから安くならないかなー」っていう方もたくさんいると思いますし、その人たちは何も考えずに喜べばいいんじゃないかなと思います。
余談
auのヘビーユーザーからすると、料金プラン安くするのもいいんですけど、
どうせなら囲い込み加速させていいからその分の恩恵受けさせてくれないかなという不満もあって、
例えばau walletゴールドカードでau Payにチャージした時のポイント還元率が他のクレジットカードと同じというのも、PayPayのソフトバンクユーザー優遇と比べると露骨に見劣りしますし、
三太郎の日が年々しょぼくなっていることとか、au HOMEでauユーザーであってもデバイス料金とは別に月額がかかるのとか、auのiDeCoがあんまり美味しくないこととか、
そのあたりがどうにかなったら格安スマホと比較して利用料が高いことへの納得感も生まれてくるのになあと思ったりします。
「通信とライフデザインの融合」というauのビジョンが、「全部auにまとめることで実はお得になる」という方向に進んでほしいんですけど、「情弱に何から何まで売り付けて稼ぎたい」という方向にしか見えないのが……。
あと、「通信料が高い代わりに機種代金を値引く」という商法そのものは、ビジネスのやり方として何も間違っていないし、アップグレードプログラムEX(48回分割にした上で、2年経った時点で機種変更したら残りの機種代金は払わなくてもいい)も悪くないシステムだと思っているんですけど、
だったらもっと取り扱うラインナップを増やせと言いたい。何でPixel 3もPixel 3aも出ないんですか?