
iPad mini(2019)レビュー:待望の新機種、Androidとの2台持ちにも最適
今年の4月末にiPad mini 2019を買いました。もう半年も経ってしまいましたが。

AndroidユーザーがiPad mini 4を買ってみた
iPad mini 4を買いました。今更。 買った理由としては……いろいろあるのですが、 ①使っているAndroid... 続きを読む
基本的な使い方については以前書いたiPad mini 4のレビューと同じですので、おさらい的な意味も込めて書いていきます。
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Contents
サイズ
8インチは持ち運びに最適
様々なラインナップの存在するiPadの中で、積極的にiPad miniを選ぶ理由は「ちょうど良いサイズ」の一言に集約されると言って良いでしょう。
7.9インチというのは、数字だけ見るとiPhone XS Maxの6.5インチとそこまで大差がないように感じられますし、「大は小を兼ねる」的な意味で「ほぼ同じ値段のiPad Air(9.7インチ)で良いのではないか」と思われがちです。
しかし実際には逆で、大きいタブレットは取り出さなくなるし、取り出さないタブレットは持ち歩かなくなります。
もしこの記事を読んでいるあなたが「iPad欲しいけどどれがいいかなあ」と迷っているのだとしたら、まずは使い方をイメージしてください。
家でソファに座りながら、ベッドで寝ころびながら、電車の中で……と、スマートフォンの延長のように使いたいのであれば、絶対にminiを選ぶべきです。
逆に、「机に立ててキーボードを接続してPCライクに」と考えているのであれば、他のサイズの方が良いでしょう。Smart Keyboardも非対応ですし。
当然、Apple Pencilなどでメモを取る用途で考えても、「左手で掴んで右手でメモ」という使い方をするなら、mini一択。だって、新書サイズですよ。これより大きいメモ帳見たことありますか?
液タブのように机に置いて作業したいのであれば当然iPad Proを選ぶべきです。iPad miniは他のiPadとは全く用途が異なるモデルです。
7.9インチはミニではない
「iPad miniは小さいからタブレットとしての利点が弱い」と考える方もいらっしゃるかもしれませんが、決してそんなことはないというのは主張したいです。
タブレットのサイズに関して見落とされがちなのは、画面の大きさに関して一番大事なのは画面と顔の距離だということです。
11~13インチのiPad ProやSurfaceは、机に置いてキーボードを挟んで使うにはちょうどいいサイズですし、10インチ前後のiPad 無印 / iPad Airは、机の上にスタンドとして置いて映画を観るにはちょうど良いスクリーンでしょう。家電量販店でそれらと並んでいるiPad miniを見比べると、非常に小さく、頼りなく見えるでしょう。
でも、片手で掴んで手元で使う分には、iPad miniは全然小さくない。むしろ大きく感じるのです。
Nintendo Switchを持っている方はよくわかるのではないでしょうか。テーブルモードだと小さく感じるのに、携帯モードで使うと結構大きいですよね? そんなSwitchよりも大きいタブレットは決して小さくないのです。Kindle Paperwhiteも6インチしかないですしね。
iPad miniがminiを冠しているのはAppleのラインナップ上の理由であって、
例えばKindle Fireは7インチ・8インチ・10インチの3種類ですから、iPad miniはAmazon基準だと「中」ということになります。名前のイメージに惑わされないでほしいです。
むしろ、小型を期待してiPad miniを買うと「意外と大きいな」とすら思うこともあるでしょう。
パフォーマンス
待望のハイスペックなiPad mini
小型タブレットというだけで買いなのですが、なぜmini 4から買い換えたのか?といえばそれはもう性能。
mini 4も決して低スペックではありませんでしたが、当時から既にiPhoneと比較すると1年分の型落ちでしたし、その後iPad Pro推しによってiPad向けiOS自体がどんどん重くなったことで、
ここ2年はアプリの切り替えやホーム画面への移動など、どんな動作でももっさりする感覚がありました。
そんな中、iPad miniとiPad Airは、iPhone XS/XRと同じA12 Bionic。MacBookに匹敵すると言われるほどの化け物じみた性能を持ち、同世代の他スマートフォンを圧倒しているチップ。
出典 – アップルがiPhone 11シリーズ向けにA13 Bionicを発表 | TechCrunch Japan
Appleの主張を信用するなら、2019年発売のモデルを含めて全ての現行Androidスマホよりも高性能だということになります。ちなみにAndroidタブレットでハイエンドスマホと同じチップを積んでいるものは1つもないので間違いなく最高性能です。
一部では「iPad ProやiPhone 11と比較すると見劣りしそう」なんて意見もありますが、iPad miniを買うユーザーがこのスペックで不満を感じることは絶対にないでしょう。iPad mini 4から買い替えても、ちょっと触るだけですぐに実感できるほど、全ての動作がサクサクになります。
最安価なハイエンド iPad
現在のApple製品のうち、iPad Air、iPad mini、iPhone XS/XRは全てA12 Bionicを搭載しており、スペックとしてはほぼ同等です。
iPad ProのA12X、iPhone 11のA13 Bionicよりは劣るものの、PC的な使い方をしないのであれば、現時点では全く問題のない水準です。
そして、A12以上のCPUを持つ中ではiPad miniが最安価。
その一方、iPad mini発売後に出たiPod touchやiPad無印が搭載しているのはそれより2年前のA10 Fusionチップです。
機種名 | CPU | RAM | 最低価格 |
---|---|---|---|
iPod touch | A10 Fusion | 2GB | ¥21,800 |
iPad 10.2インチ | A10 Fusion | 3GB | ¥34,800 |
iPad mini | A12 Bionic | 3GB | ¥45,800 |
iPad Air | A12 Bionic | 3GB | ¥54,800 |
iPhone XR | A12 Bionic | 3GB | ¥64,800 |
iPhone 11 | A13 Bionic | 4GB | ¥74,800 |
iPad Pro 11インチ | A12X Bionic | 4GB | ¥89,800 |
もちろんA10であってもこれまでのmini 4(A8)よりは十分に高性能ですし、性能が足りないということはないでしょうが、やはりゲーム用端末として選ぶならA12は欲しい。iPadはiPhoneほど頻繁に買い換えるものではないので、なおさらです。
その点、価格と性能のバランスが最も良いのはiPad miniと言えるのではないでしょうか。
最高のゲーム用端末
特にスペックの差が顕著に出るのはやはりゲーム。
Androidは普段使う分には悪くないOSだと思っていますしスマホはAndroidですが、ゲームに関しては最適化とOSの問題で絶対にiOSに勝てません。
ただやはりiPhone XRは高いですし、Androidスマホならではの魅力もあるので乗り換えにくい方もいると思います。
私自身もまさにそうで、元々iPad mini 4を最初に買った理由もポケモンGO目当てでした。
そんな中で登場したiPad mini (2019)、言うまでもなくどんなゲームでも軽快に動きます。
mini 4だと軽量モードに設定していても若干のカクつきでミスすることがあった『ガルパ』『ミリシタ』が、標準モードや最高品質設定にしても引っかかりなくサクサク動くようになりましたし、
『PUBG mobile』も当たり前のようにHD設定を推奨され、プレイ中も、スクリーンキャプチャを行いながら出あっても動作が重くなるようなことは一切ありませんでした。(※本体は熱くなります)
付け加えるならリズムゲーム端末としてもiPad miniの画面サイズが魅力になります。iPhoneだとどうしてもタップ領域が狭くなりますが、iPad miniであれば適度な広さを確保できます。
一方、iPad AirやiPad Proのサイズであればさらに迫力は増しますが、逆に大きすぎて指の移動が大きくなるので、人によってはiPad miniが最適なケースは多いと思います。
あと、最近のiPhoneとiPad Proにはイヤホンジャックがないので、その点でも音ゲー向きと言えるのではないでしょうか。(その代わり横向きにした場合のスピーカーがステレオでないという難点はありますが……)
Android・Windowsとの連携
Androidスマホと2台持ちでも便利
よく「Apple端末は連携が素晴らしいのでiPhoneとiPadとMacBookで揃えるべき」みたいな話を聞きますし、実際それは正しいと思います。
ただ、iPadを買う人のほとんどがApple信者であるために、iPad + Androidという組み合わせをそもそも試さない人が多いのも事実です。
実際には、iPadとAndroidの組み合わせは全く問題なく便利です。
むしろ、細かいところをカスタマイズできるAndroidと、安定していてスペックを最大限発揮できるiPadを両方持っておくことはいろんな場面で役に立ちます。
iCloudはともかく、OneDriveやGoogleドライブなど、今やほとんどのオンラインサービスでマルチOS対応は当たり前。Google Play Musicの「クラウドにアップロードした手持ちのmp3ファイルを無料でオンライン同期してくれる」という神機能も利用可能です。

AirPodsはAndroidと組み合わせる方が便利。電話がかかってきたら自動接続もできる
私は今年の7月にAirPodsを購入しました。それから半年ほど便利に使っていますが、 実はiPhoneを持っ... 続きを読む
AirPodsとの相性は以前にも書いた通り。第2世代AirPodsとAndroidの相性が悪いという噂も聞きますが……どちらにしても最近のフルワイヤレスイヤホンはマルチペアリングが当たり前になってきているので、AirPodsに限らずいろいろ探してみると良さそうです。
Windowsとの連携も同じように問題ない……と今までであれば断言できたのですが、今年搭載された、iPadをMacのサブディスプレイにできるSidecarはさすがに羨ましいですね、正直。Duet Displayを使っていますがやっぱり有線だったり不便さはあるので。Macに切り捨てられたLuna DisplayのWindows対応に期待しています。
検証用のiOS端末としても優秀
私はWebエンジニアという職業柄、特定のブラウザでの表示崩れに対応することが結構あるのですが、
経験上、Chrome基準で開発しているとIEの次に崩れることが多いのがSafariです。Microsoft EdgeやAndroid Chromeと比べても明らかに多い。
私はWindowsで開発しているのですが、iPadのおかげでiPhoneがなくてもiOS特有のバグを特定できる、ということが何回もありました。
ただしiPadOSが登場したことで、iPhoneとの挙動が食い違ってくる可能性は若干ありますが……。逆にMacSafariとiOS Safariの両方が簡単に確認できるようになればベストですね。
(※ちなみに、本当に検証用としてのみ使うのであればiPod touch 7thでも良いと思います)
iPadOSは大きな変化なし
ちなみに、秋に鳴り物入りで登場したiPadOSですが、正直そこまで大きく変わった感じはないのが正直なところ。
そもそもiOS 10でSplit Viewが登場して以降はiPad/iPhoneでほとんど別物と言って良い状態だったので、それが明確になっただけ、という印象です。
ホーム画面に表示するアプリを増やす機能も、待望ではありましたが、iPad miniのサイズだと4×5でもそこまで問題にはなっておらず。
唯一大きな変化と言えるのはMacのサブディスプレイにできるSidecarですが、Windowsユーザーには無関係です。
モデルの選び方
ストレージは64GBでも十分
個人的な意見ですが、私は64GBでも容量は十分だと思っています。
というか、iPad mini 4の時に32GBのものを買って、「ギリギリ足りる」というレベルだったので、64GBであれば全く問題ないと判断しました。
動画や音楽を保存しても32GBあれば大体の事は足りますし、それ以上はクラウドストレージに貯めていくのが良いでしょう。
iPhoneと違って、そこまで気軽に写真を撮ることもないので、思っているよりもストレージの圧迫は少ないです。
買うならLTEモデル
iPadを買う場合の選択肢として、Wi-Fiのみインターネットに接続できるWi-Fiモデルと、SIMカードを差してモバイル通信ができるWi-Fi + Cellularモデルの2つがありますが、
個人的におすすめしたいのは圧倒的にLTEモデル。やはりiPad miniという機動力の高いデバイスを選ぶのであれば、テザリングではなく直接通信できるものを選びたいところです。
キャリアで購入するかどうかは人によって悩むところで、一般的にはキャリアの方がぼったくりと思われますが、一概にそうとは言い切れません。
例えば、auで契約すると、3年間は980円/月でスマートフォンとデータ容量をシェアすることができます。
(その代わり3年経たずに解約すると違約金が発生しますが、総務省の指導により来年1月から解約料の上限が1000円になる予定です)
月1000円というのは格安SIMの最低金額に近いので、それなら3年間auでも問題ない、という判断はアリではないでしょうか。
現在は家電量販店でもCellularモデルが購入できるので、キャリアからの購入がお得になることはあまりなさそうですが、
どうしてもデータ回線を2社から契約したくない(=キャリアであればデータシェアでスマートフォンと共通のデータ容量を使うプランが選べる)という方であれば、キャリアから購入する選択肢もアリだと思います。SIMロックや違約金も徐々に緩くなっていますしね。
ヨドバシとビック、セルラー版iPad(第7世代)とiPad mini発売 | マイナビニュース
Cellular版はeSIMに対応
今回のiPad miniの数少ないスペック以外のアップデートに、eSIMへの対応があります。
これが便利なのは海外旅行で使う場合。スマートフォンがeSIMに対応していなくても、海外ではiPadを母艦にテザリングすることで快適に利用できる可能性が高いです。
残念ながら私はiPad miniを買ってから海外旅行をする機会に恵まれていないのですが、移動中のバスでGoogle Mapを見る、という機会は日本にいる時と比べて絶対多いので、iPad miniがあれば快適でしょう。
総括
iPad mini 4の時に書いた記事の総括をそのままコピペしますが、
まあiPadの存在意義についてはみんな言ってる通り「なくてもいいけどあった方が便利」。それ以上でもそれ以下でもない。
ただ、「iPadによってどのくらい便利になるか」というのは人によって違っていて、
その中で、例えば「iPhone 7 PlusとiPad mini」とか、「iPad ProとMacbook」という組み合わせだと明らかにiPadの必要性は下がりますよね。絶対要らないとは言いませんが。
そういう意味で、「Androidの低スぺ小型スマホ+iPad mini(+大画面Windows PC)」という組み合わせは、割と補完が効いていて良いのではないかと。AndroidもiOSもそれぞれ利点があるので。
Androidスマホに不満がある、でもiPhoneにいきなり変えるのは……という人には、それなりにオススメできるんじゃないかと思います。もちろん、金銭的な部分とも相談ですが……。
スペックに不満があったiPad mini 4ですら十分に恩恵を実感できた、「さっと鞄に入れて気軽に持ち運べる機動力の高さ」という唯一無二の個性は、
ハイスペックさとApple Pencil対応で言うまでもなく進化しました。
この記事を書いた後で結局Androidもハイエンドスマホに買い替えたりしましたが、それでもiPad miniを2台持ちすることのメリットは少しも揺るがず、mini 5を発売直後に買う程度にはファンになりました。
今更過ぎてあまりこの記事を参考にする方もいないと思いますが、とりあえずiPad miniの魅力が伝われば幸いです!
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Cellular版を推しているのになぜWi-Fi版へのリンクなのかは、まあ、大人の事情ということで1つ……。