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2021年個人的ベストソング10

 今年のベストソング記事。

 以前の記事でも書きましたが、例年通りのランキングを作ろうとすると、自分が2010年代に好きだったアーティストがほとんど全滅してしまったので実体として違うものになってしまうんですよね。あまり上位であることの価値がないというか。


 で、どうしようかなと考えたのですが、とりあえず今年はトップ10+次点という形で、10位から発表して、残りは箇条書きで曲名だけ載せます。トップ10くらいならギリギリ成立しそうなので。去年までは25曲でしたが……。

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10. 星のオーケストラ / saji

 『かげきしょうじょ!!』OP。今年というか直近3年で唯一観たアニメ。面白かったー。

 まあアニメ補正がないと言うとウソになるんですけど、拍子の取りづらいイントロから、アニソンらしさを担保しているオルゴールベルとストリングスがバンドサウンドと上手く噛み合って凄いなと思います。

 サビの後半でビートが倍になるところがノリやすくて好きです。

 歌詞もちゃんとアニメのテーマに沿いながらストレートな応援歌で良いです。


9. ハイゲイン / ヒトリエ

 現体制のヒトリエについては、自分の中では「一番好きなバンドではなくて数ある好きなバンドの1つ」というところに収めているのですが、でも好きな曲をちゃんと連発するバンドではあるんですよね。好きな曲というかつい何度も聴きたくなる曲というか。

 シノダ作の楽曲がwowakaさんに似てるかと言われたら別にそうではないんですけど、やっぱり鋭いリフだったり複雑なベースラインだったり、そういう細かいアレンジはヒトリエらしさがあるし、

 何よりも……「wowakaっぽいことをやることが許されている唯一のバンド」なんですよね。

 少し前まで、誰でもいいからwowakaっぽい曲を作ってくれないかなと思ってたんですけど、実際にwowakaっぽい曲を平然と出してそこそこ人気を得るボカロPがいたら自分は不快に思うだろうなというのを、まんまトーマっぽい『ジャンキーナイトタウンオーケストラ』を聴いて不快に思ったことで気づいたので、

 狙ったわけではなく自然にwowakaっぽさが含まれたものになるヒトリエの新曲にそこは期待するしかないんだろうなと思いました。そういう意味でこの『ハイゲイン』は一番wowakaっぽさもあるヒトリエだったので良かったです。


8. フォニイ / ツミキ

 ツミキさん自体は数年前にコメントで教えてもらったりして、ただ当時はwowakaフォロワーというかそれを尖らせた人、という印象で終わっていたのですが、それを『SAKKAC CRAFT』で一つ完成させたからか、そこからの『フォニイ』で明らかにステージを上げた気がします。

 ポップで大衆受けしやすくなった一方で全然持ち味を失っていない。Bメロでドラムを抜いて緩急つけてからのサビの4つ打ちダンスビート。こういう曲を無限に聴いていたい。


7. bouquet / ヒトリエ

 今までのヒトリエにはないタイプの実験的な音楽。小気味よくてかなり好きです。そもそもヒトリエって明るくてハイテンポな曲がほぼなかったので、そういう意味でも新しい。まあ今のヒトリエが新しい何かをすることは別に意図的なものではないかもしれませんが、こういう曲も結構好きなんだなと知ることはできました。


6. dark cherry mystery / 忍野扇(水橋かおり)

 絶対今年の曲じゃないけど今年出会った中でトップクラスに聴いた曲なので捻じ込みます。Aメロの美しさを感じさせるコード進行。ボーカルを際立たせる小気味良いリズム。テンポも速くないし音も歌詞も少ないのにちゃんとサビで盛り上がるストリングス。全部の音が性癖に刺さりました。


5. スイサイ/アンブレラ/ロクガツ/ドライフラワ / ツミキ

 『SAKKAC CRAFT』のアルバム基本的には全部好きなんですけどその中でこの曲が好きということはシンプルなロックの方が好きなのかもしれない。何となく『劇場街』とかあのあたりのヒトリエっぽさを感じます。

 ちなみに本当は本人歌唱よりも初音ミク版の方が好きです。


4. YUBIKIRI / ヒトリエ

 毎年言ってますがエンディング感のある曲、単に元気だったりアップテンポではないけれど静かな中に未来に向かう意志を感じる曲が好きで、そしてヒトリエの新体制の初アルバムのラストにこういう曲を持ってこられたらもうそれだけで好きです。

 不協和音とか複雑なコード進行もあまりなくてひたすらに美しい曲。


3. 限界無限大ケン% / クマリデパート

 『シャダーイクン』以来のサクライケンタ×玉屋2060%、前作以上の過圧縮ソング。要素が詰め込まれすぎてて無限に聴き続けられます。

 聞いたことない作り方。


2. INAZMA / NOMELON NOLEMON

 第2のYOASOBIを狙うNOMELON NOLEMON。ツミキさんのボーカロイド時代の疾走感をちゃんと残したまま、人間ボーカルである意味もある感情の乗せ方。サビの気持ちよさ。

 結局wowakaさんのメロディーの何が良かったかというと感覚的に一番気持ちよいラインど真ん中を走っている感じだったと思っていて、この音の次にこの音が来てくれたら一番気持ちよく歌えるし聴けるな、というのをちゃんと抑えている、それと同じ感覚がツミキ楽曲にもあると思います。サビの語感が最高。

 

 あとはここから須田景凪さんみたいにならなければいいな……と思う限りですが、『イエロウ』がそっち系だったので少しだけ不安です。まあでも何というか、米津さんもそうですけど単純に年を取るにつれてハイテンポな曲に飽きてくるというだけかもしれない。


1. 愛のシュプリーム! / fhána

 間違いなく今年のベスト。これは去年でも1位にしてたというか、これまでの1位の並びに加えても違和感がない。そのくらい好き。

 聴いていて楽しい、無限に口ずさみたくなる、何度聴いても飽きない。インストのストリングスとブラスの華やかさから、自然な転調と、それを感じさせないポップソング。fhanaは今までもそこそこ好きな曲は結構ありましたが、ここまで刺さる曲は後にも先にもない気がする。

 歌詞も英語、日本語、そして「パッパラッパッパー」という意味のないフレーズまで、徹底してキャッチーで、希望に満ちている。そしてそれが望まない形での監督交代となった『小林さんちのメイドラゴンS』の主題歌。テレビサイズは2019年時点で完成していたとのことですが、それから京アニのあの事件があり、社会全体の災禍が起こり、様々な意味を付加された上で、こういう愛と生命をまっすぐ肯定する楽曲が生まれたのは必然なのだろうなとも。

 本当に今年1番聴いた曲。リリース直後の1週間は本当に朝から晩までずっと流し続けてました。最高。京アニのアンセムとしてもっともっと評価されてほしい。

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次点

 太字は特に好きな曲。

  • アイスドロップ / aqu3ra
  • トンデモワンダーズ / sasakure.UK
  • マシンガンポエムドール / cosMo@暴走P
  • 死神 / 米津玄師
  • INTERNET OVERDOSE / Aiobahn feat. KOTOKO
  • Salt, Pepper, Birds, and the Thought Police / Mili
  • 君は何キャラット? / ラストアイドル
  • 君しか勝たん / 日向坂46
  • 世界にはThank you!が溢れている / 日向坂46
  • Route 246 / 乃木坂46
  • 乱数調整のリバースシンデレラ / 粗品
  • エンターテイナー / Rain Drops
  • Formula / Rain Drops
  • Unison / Yunomi feat. 宝鐘マリン
  • リフレクション (feat. nicamoq) / Yunomi
  • 深海前夜 / パスピエ
  • 雨燕 / パスピエ


 ボカロは本当にツミキさん以外はプロセカでしかキャッチできていない。グッバイ宣言を最近までHoneyWorksの曲だと思い込んでたくらいには老害です。しかしあの曲もうっせぇわもそうですけど社会への反抗ソングまだやってんのかって思いますね。ファンの新陳代謝がちゃんと行われてるという意味では良いことなんでしょうけど……。ストレートな歌詞は本当に生理的に無理。

 パスピエの新譜『ニュイ』があまり刺さらなかったのがちょっと残念でした。どの曲も好きではあるのですが、トップ10に入れるほどではなかった。でもまあパスピエは変化しているというより作風の幅を広げ続けているバンドだと思っているので、また来年のアルバムを楽しみにしたいと思います。

 この中で普段の記事で触れてなかったのはMiliですかね。急にYouTubeのオススメに出てきてまんまとハマった。今年の曲ではないですが『RTRT』が一番好きです。

 『リフレクション』も良かった。ゆのもきゅ2早くリリースしてほしい!

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 アイドル界隈で卒業したアイドルを推し続けることを亡霊オタと呼ぶそうなのですが、正しい意味での亡霊と化しています。

 YouTube Music の 2021 Recapを見てもらえるとわかりやすいんですけど、

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 ほとんどwowakaさんの曲しか聴いてないんですよ。つまり2年以上前の曲。

 こんな状態で2021年発表曲縛りのランキング作るのがマジでしょうもないという感覚は理解してもらえるのではないでしょうか。


 トップ10、ヒトリエとツミキが3曲ずつという無法地帯なんですけど、もう本当にこうするしかなかった。1アーティスト1曲縛りしてたら10曲埋められない。なのでたぶん来年はもっと減るんじゃないかと思います。

 今年はもう……一昨年はヒトリエ、去年は赤い公園でしたが、今年はそれに加えてMaison Book GirlとCY8ERが解散して、新曲が楽しみなアーティストが本当にいなくなってきました。

 アルバムがリリースされたら発売日に絶対YouTube Musicで通して聴こう、という気持ちになるアーティスト、たぶんもうヒトリエとパスピエと米津玄師だけしかいない。

 ただ米津さんもなー……イレギュラーな『ひまわり』を除くと、『LOSER』以降あんまり好きな曲がないので、あんまり期待しない方が良いんだろうなという状態。

 その意味ではNOMELON NOLEMONの来年のアルバムはかなり期待しています。INAZMA以上に刺さる曲があったら嬉しい。


 まあただ、好きなアーティストって必ずいるのが普通というわけでもないんだろうな、とも。

 例えば、いま私は「新刊が出たら必ず買う漫画シリーズ」って1つもないんですけど、そういうの1つくらいある人が多いと思うんですよ。漫画好きでないとしても、ワンピだけは買うとか進撃だけは買うとか。アニメとか映画も同様で、別に映画好きじゃないけど年に1本くらいは観るとか。

 でもゼロの人もいる。で、定期的に買ってる漫画はあるけど、新譜が出たら必ず買うアーティストがいない、っていう人は、まあそこそこいるだろうなという。今は音楽って新曲が出たら無料で聴けるのが普通なので、漫画よりはハードル低いんですけど。

 そういう意味で自分は音楽という趣味からも卒業するタイミングなのかなーという。数年前までは地下アイドルとか邦ロックとかの隠れた好きな曲をいろいろ探すのが楽しかったんですけど、もう別にいいかなと。たぶん2022 Recapも半分くらい今年と同じになるでしょうし。


 まあ今年に関しては『愛のシュプリーム!』があって救われたなという感じ。この曲がなかったらこの記事書いてないんじゃないかなと思います。INAZMAもケン%も好きだけど1位にするのはしっくりきてなかったので、たぶんあまりのランキングのしょうもなさに途中で投げ捨ててたと思う。

 なので来年も、1位にしたいなと思うくらい好きな曲が出たら書くかもしれません。出なかったら書かないと思います。

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