映画・音楽・小説の感想 6年前

『リリカルスクールとの未知との遭遇』の、指摘の野暮と私的な感想

最後に観たのが1か月前くらいなので、相当に書くタイミングを逃してしまったし、もう東京で上映してすらないので何を今さらという感じしかないのですが、  それでも書き留めておきたいリリスク映画のお話。    正直リリスク知らない人に向けて何か書いたところで読んでもらえるともあんまり思っていないのですが、  lyrical schoolとは……6人組ヒップホップアイドルユニット、通称リリスク。最近メジャーデビューしました。かわいい。  本題の前にちょっと寄り道しますが、今週発売された最新シングル『サマーファンデーション』、これは、いいぞ  ティザー映像。フルMVも近日公開されるようです。  私がリリスクにハマったきっかけである『ワンダーグラウンド』と同じLITTLEさん作詞で、2番目に好きな『brand new day』と同じ作詞LITTLE・作曲AxSxEという、期待しかできない制作陣だったので、発表時からずっと楽しみにしていたのですが、しっかり期待を超えてきてくれました。  夏祭りをテーマにした繊細な乙女心、高校生くらいの甘酸っぱい恋愛の感じが見事に描かれています。こういう歌詞好きです。  リーダーayakaさんのソロパートがクライマックスまで一度もない、というパート構成も凄い。最後はしっかりリーダーがキメる!みたいな感じ。  ラップパート、それぞれの魅力が出ていて良いのですが、やはりhimeパートが、ラップスキルの高さと現役高校生ならではの説得力があって良いです。1番の「突然お祭りの誘いってマジか」の「マジかー↑」の言い方が最高です。  リリスクは楽曲から入ったので誰々が好きみたいなものはあんまりないのですが強いて言えばhimeさんが好きで、himeさんの写真が載っているという理由だけでZipper買いました。  写真1枚しか掲載されてなくてさすがにキレそうだったけど、WEGOの10%オフクーポンがついていたからギリギリ納得できた。せめて写真2~3枚はあると思ってたよ……。    CDのバージョンについて、限定盤AはライブDVDなので気になる方が買うとして、私が購入したのは初回限定盤Bです。  と、いうか、通常盤を5月頭のリリースイベントで予約したものの、予約券を紛失したため、今週のリリースイベントで限定盤Bを買い直しました。もし予約券が後から見つかった時のために一応バージョン違いにしておこうと。  ……決してリリイベの特典目当てに複数買いしたわけではない、いいね?  で、初回限定盤Bに収録されているのは前回シングルのアレンジだけなので、興味がなければ通常盤でもいいのかなー、と思います。いや、リリスクファンとして、そしてアフィリエイターとしてそれでいいのかって感じはありますが。  限定盤BのRemixは簡単に言うと「MOTHERシリーズっぽいアレンジ」です。なぜかRUN and RUNがめっちゃホラーになってました。AmazonとかiTunesで試聴・配信してるので、それを聴いて惹かれたら買うといいのではないでしょうか。 ——————–  そんなリリスクの主演映画が『リリカルスクールの未知との遭遇』だったわけですが、さて。  そもそも、そこまで知名度のないリリカルスクールというアイドルの主演映画、そして1館上映、さらに上映終了後に毎晩メンバーのトークイベント開催……というところからして、  まあ、雰囲気としては妖怪メダル付きスナック菓子みたいな、そういう類の匂いが上映前から漂ってるわけでして、  そして実際に観てみた感想なのですが、THE・低予算映画って感じでした。  別にこれは悪口とかじゃなくて、自主制作感出ててあれはあれで良かったと思うんですけど、  そもそも、なぜ低予算なのに特殊エフェクトを必要とするSFを題材に選んだのか……?という謎があって、  たとえば、映画の冒頭、メンバーのayakaが膝をすりむいてしまったところを、宇宙人が不思議パワーで治してくれるシーンがあるのですが、  ケガを治す前後で、パッと膝の位置が微妙にずれる。いや、そこはわざわざ撮り直さなくてもフォトショで修正すれば良かったんじゃ……?  他にも、brand new dayに合わせてメンバーが街に出ていくシーンのあからさまなBB合成映像感とか……まあ、別にリアリティ重視の映画でもないので、味があったのも事実なのですが。 ——————–  それはそれとして、脚本に関していうと、「もう少しどうにかならなかったの」みたいな突っ込みどころが結構あって、  例えば、せっかく側近であるマネージャーを洗脳したのに、最初にやったことが顔丸出しで強盗という、マネージャーである必要が一切ないパワープレイだった。せめて誘拐くらいは実力行使じゃなくても良かったのでは……?  他にも、終盤にリリスクを襲う忍者2人の関係性とか、ベムさん(宇宙人)が元の宇宙に帰るラストシーンでの「LINEするわー」っていうセリフとか、事前に前フリが数秒でも差し込まれてたら全然違ったと思うんで���よ。(ベムさんにメンバーがスマホの使い方を教えるシーンとか)  全体的に、居酒屋で飲みながら思いついたネタを盛り込んでみました的な脈絡のなさがあったのですが、  パンフレットを買ったら本当に居酒屋で話し合いながら脚本考えてて納得しました。    まあ、ただ、ここまで伏線・前フリにこだわって観てしまったのはその数日前にズートピアを観に行ったからで、あんな伏線中毒映画の後に観たらどんな映画も物足りなくなってしまうとは思うのですが、  しかし、例えばマネージャーが実はメンズブラしてたところとかはしっかり前フリがあって笑えたので、ああいう時間差のネタがもっとたくさんあれば深みがあってよかったのになーと。 ——————–  それ以外の小ネタでいうと、途中、何でもない日常トークなのに明らかにhimeだけ不在のシーンがあって、これはhimeが敵サイドに捕まって洗脳されてスパイになってる的な伏線なのか……!? とドキドキしながら観てたのですが、  何もなかったのでおそらく撮影日が期末試験だったんだと思います。仕方ない。 ——————–  で、まあぶっちゃけここまでの話は些末なことなんですけど、ここから本題。  この映画の「テーマ」とは何だったのか? ということを考えてみたところ、    1.リーダー・ayakaの「何のためにアイドルをやっているのか?」という悩み  2.リリスクの「売れることが一番の目標なのか?」という問い  3.マネージャーの「ゆとり世代への先入観とリリスクへの横柄な態度」問題  これらが、ストーリーの序盤において、軸として提示されていたように見えました。  ところが、映画はこのどれにも答えを出さないまま映画は終了します。  マネージャーに関しては、洗脳されて悪事を働いていたところをやっつけられて終わりで、例えば、意識を取り戻した後にリリスクのことを見直す……みたいなよくある後日談はありませんでした。  また、最後のライブシーンについても、普通の映画であれば、ライブ後に「私たちはxxのためにアイドルやってるんだ!」みたいな一応の解が出てくるものだと思うし、アイマスもラブライブもそんな感じなのですが、  ライブが終わってそのままエンディングです。後日談なしです。    普通の映画の文法に従えば、なかなかあり得ないストーリー構成になっていて、最初に観た時はそのギャップに強い違和感を覚えたのですが、  個人的に咀嚼した結果、1つ考えたこととして、  「実在の人物を描いた本人出演映画である以上、未来のことには触れられない」という縛りがあるのではないかと。  つまり、『ayakaは○○のためにアイドルを続ける!』とか、『リリスクはアイドルとして○○を目指す!』とか、それを映画の中で言わせるのは確かにちょっと厳しいだろうなあと。  さらに言えば、そこについては現実世界のリリスクに任せる、というか、  実際にリリスクがアイドルとしてどういう姿を目指しているのかは、現実のリリスクがきっと答えを見せてくれるのだろう、ということなんじゃないかなあ、と……。    ……とはいえ、マネージャーとの軋轢については最後に触れても良さそうなものですが、  やはりそこは、映画として見せたいものがストーリーではなくライブシーンにある……、という姿勢なのではないかと。ライブ後・エンディング後にエピソードを追加すると、その話がメインに見えてしまうので。 ——————–  私は今まで、アイドル映画を他に観たことがないし、そもそも今年春にリリスクを知るまで、アイドルに関心を持ったこと自体がほとんどなく、強いて言えばアイマスやってたくらいで、  なので、この『リリスクの未知との遭遇』が、アイドル映画のフォーマットとしてどの程度一般的で、どの程度外れているのか、というのはわかりません。  しかし、少なくとも、普通の映画と同じ観方をすると絶対に楽しめない作品であることは間違いなく、  私がこの記事でやったような、突っ込みを入れまくったり、テーマ性を考察したりというのも、普通の映画の観方の延長にあるものです。    では、この映画の1つの理想的な楽しみ方は何なのか、というのを、2回目観た時に何となくつかんだのですが、  ちょっと固い言い方をすれば、  『現実のリリスク』『劇中のキャラクターとしてのリリスク』の間に、『演技をするリリスク/映画を作るリリスクチーム』の存在を感じることで、ある種のメイキング映像的な楽しみ方ができる、ということ。  そもそも、アイドル(偶像)というのが一種の空想世界で、『プライベートのアイドル』と『ステージに立つアイドル』はもちろん多かれ少なかれ差があるはずだし、  それを含めた『現実のアイドル』と、この映画のような『アイドル本人が演じるアイドル(役柄)』も当然違いがある、というのはメンバーも監督も認識していて、  さらに、監督のイメージした『脚本上のアイドル』と、それを本人が演じることでアウトプットされた『劇中のアイドル』にも違いがある。  そのあたりの揺らぎみたいなものを楽しめるのが一番の魅力で、だから、映画としての完成度とか、ストーリー構成の緻密さとか、そんなものはなくても全く問題ないのだなーと。    正直、初めてあの映画を観た時は戸惑ってしまって、果たしてこれは映画としてどうなのだろう……と思ってしまったのですが、  2回目、既にストーリーを知っている状態で肩の力を抜いて観ると、メンバーの可愛さとか魅力が随所に出ていることに気づいたんですよね。  ああ、これは、『演技が下手だから役者としてダメ』みたいな話をするのは的外れで、『初めてなりに演技をするメンバーの頑張り』を観るものなのだなぁと。そういう目線で観れば確かに面白い。面白いっていうか可愛い。可愛い! めっちゃ可愛い!  気づけば3回目観に行きたくなっている自分がいたのですが、予定が合わず結局2回しか行けませんでした。再上映……あるのかなあ……?  ...

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