アニメ・ゲームのこと 6年前

【感想】『ボルケニオンと機巧のマギアナ』は、ここ数年のポケモン映画への不満を解消した傑作

ポケットモンスターの映画第19作、『ボルケニオンと機巧のマギアナ』を観てきました。

cncqqs8viaabqkr-9369348  まず最初にはっきりさせておきますが、本当にすごく面白かったです。  ここ数年のポケモン映画で一番の傑作だと思います。何なら過去最高かもしれない。  前情報ゼロ(ボルケニオンのタイプも知らなかったし、あらすじも全然見てなかった)で観に行ったからこその、この圧倒的な魅了され具合でもあったと思うので、  できればこの記事なんか読まずにさっさと観に行ってほしいのですが、  そういうわけにもいかないと思うので、この映画の魅力をなるべく熱く語っていきます。    ところで、皆さん、最近のポケモン映画、観てますか。  私自身(現在大学生)は、DP後期~BWあたりで一時期ポケモン映画から離れていたのですが、最近は小学生の弟の保護者として、ここ3年のXY映画を全部映画館で観ています。  そして、一昨年の『ディアンシー』、昨年の『フーパ』を観た後に抱いた感想は同じでした。  「出来が悪いわけではないけど、子ども向けすぎて退屈だった」  あえて辛口に言えば「子どもが楽しめる」ことに特化していて、設定のディティールやストーリーの完成度は二の次、とにかく派手なシーンを見せるための、予定調和で「先が読めてしまう」映画。  もちろん、ポケモンアニメのメインターゲットは子どもですから、そこに向けて作るのは当たり前だし、子どもでなくても、こういう難しいことを考えずに観られる映画が好きな人だってたくさんいると思う。別に悪いことじゃない。  しかし、私はここ数年、『シュガー・ラッシュ』『アナと雪の女王』『ズートピア』を映画館で観て、「子ども向けのエンタメと大人向けのストーリーの両立」を見事に成し遂げるディズニー映画にどっぷりハマっていただけに、  ポケモン映画もこういう作りにならないのだろうか? という歯痒さを感じていました。  子どもも大人も楽しめる、ディズニーのような映画をポケモンは作れないのか。というか、原作ゲームではポケモン/任天堂が散々やってる領域なのに映画はどうしてできないのか。    で、今年。正直、GWに観たズートピアがこの手の映画として最強すぎたこともあって、  「まあポケモンはいつも通りのストーリーなんだろうな」と、あんまり期待せずに観に行きました。  しかし。  中盤あたりで胸の中にじわじわと広がっていく、「あれ、今年、面白いのでは……?」という感覚。  ストーリーの粗も、演出の無理やりさも、全然見えてこない。  ただただキャラクターたちの魅力とストーリーの盛り上がりに心を掴まれる。  そしてその勢いを維持したままの見事なクライマックス。  CMで「この夏最大の感動!」って毎年言われる割にポケモン映画で感動したことはあんまりなかったのですが、今年は本当に感動しました。まさかポケモン映画で泣きそうになるとは……。  ストーリーも最後の最後まで展開が読めなくて、ずっとドキドキしながら追いかけることができました。  断言します。今年のポケモン映画は、「子どもも大人も、ポケモンファンでなくても楽しめるポケモン映画」です。    だからこそ、「この映画をいろんな人に知ってほしい」と思うのです。  私が観に行った時はうちの家族4人で貸し切りでした。ヤバい。  この手のシリーズ作品は常に前作の評価を引き継ぐものなので、「去年までは退屈だったポケモン映画が今年突然アナ雪クラスの傑作になってるよ!」って言ってもオオカミ少年感あって絶対に信じてもらえないと思うけど、本当。マジ。  今年のポケモン映画は、去年までのポケモン映画が好きじゃなかった人こそ観るべき作品だし、  もっと言えばディズニー・ピクサー映画が好きな人が観るべき作品なのです。  今年の作品は、そういう人が見ないと「ポケモン映画にしては地味なストーリー」くらいの評価で埋もれてしまう可能性があるのです!それは良くない!    さて、ここまでの内容で観に行こうと思った方はこれ以降の文章は読まなくていいです。  しかし、まだ信用できないという方のために、  ここから『ボルケニオンと機巧のマギアナ』の具体的な魅力を解説していきます。    まず初めに断っておきますが、この記事は「ここ数年のポケモン映画が不満だった人の目線」です。  なので、ここ最近の映画……つまり『ケルディオ』『ディアンシー』『フーパ』が好きな人にとっては一部不快になる表現があるかもしれません。ご了承ください。  と、いうか、ここ3年のポケモン映画観て、それが大好きだったって人は、他の人からどうこう言われる前に観に行ってますよね。  そういう人を説得しても意味ないので、私は、ここ数年のポケモン映画が嫌いだった人/興味がなかった人を説得するためにこの記事を書いています。  

1. ストーリーが王道かつ丁寧

 今年の映画、あらすじを超簡単に言うと「悪い奴らから幻のポケモンを守る」というポケモン映画のド定番なんですけど、  そのストーリーにご都合主義的な展開が見られない。  サトシたちが事件に関わっていく理由、マギアナを守る理由、悪役たちの動機、悪役との何回かに分けての衝突。  その1つ1つに対してちゃんと納得できる理由付けと描写があり、ストーリーに説得力とリアリティを持たせることに成功しています。  子供向け映画(子供向けに限らないけど)を大人の薄汚れた目線で観ると、  「あ、今、物語の展開を都合よく転がすために偶然に頼ったな」とか、「あ、この悪役、今とどめ刺せるのに映画が終わっちゃうから手加減したな」みたいな野暮なことをついつい思ってしまう映画というのは結構多くて、  ポケモン映画でも前年の『フーパ』なんかは割とそういうポイントがありました。(というかフーパの能力があまりにもチートすぎた)  しかし今年の映画は違う。ストーリーの説得力があったし、突拍子のない展開もなかった。  その点で、大人が観ても十分満足できる映画に仕上がっています。  

2. 舞台と世界観が魅力的で住みたくなる

 今回の舞台は、ゼンマイ仕掛けの超カラクリ都市「アゾット王国」。  アゾット王国は、局所的に流行しているスチームパンクの雰囲気、というかもっと端的に言えばラピュタです。 アゾット王国  神秘科学の恩恵を受けて暮らす街。動く歩道があったりと、方向性としては『裂空の訪問者 デオキシス』のハイテク未来都市「ラルースシティ」に近い。  個人的に私は小学生の頃から「ああいう街に住んでみたいなあ」と思わせてくれるポケモン映画が大好きで、その点で『デオキシス』の ...

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