アニメ・ゲームのこと 6年前

『スーパーボンバーマンR』は決してクソゲーではなく、正統な「スパボン6」です

3月3日に発売された最新ゲーム機「Nintendo Switch」の、2本しかない独占ローンチタイトルのうちの1本、『スーパーボンバーマンR』。(もう1本は『1-2-Switch』です)  ハドソンがコナミに買収されて以降途絶えていたボンバーマンシリーズの久々のコンシューマー向け新作にして、  「スーパーボンバーマン」というタイトル、凶悪ボンバー5人衆の復帰など、往年の、特にスーファミ時代のシリーズファンを惹きつける要素満載のタイトルであり、注目度もそれなりに高まっていました。  にも拘わらず、蓋を開けてみるとオンラインは遅延で遊べない、オフラインでも遅延がある、操作性も最悪、などなど、欠陥だらけ! やっぱりコナミはコナミだった!    みたいなイメージを持ってしまっている方が多いのではないかと思いますが、全くそんなことはありません。アフィブログに騙されないでください。私は既に35時間ほどプレイしていますが、ちゃんと面白いゲームです。  このゲームは間違いなく「スーパーボンバーマン6」です。先に言っておきますが、リメイクも新シリーズでもありません。続編です。  ボンバーマンファン、特にスーファミ時代のスパボンが好きだった人は絶対に遊ぶべきゲームです。  以下、その理由を説明していきます。   (2018/3/3 1周年に寄せて改めて感想を書き直しました。現状に即したレビューだけを読みたい方は先にこちらをどうぞ。)   (3/22:3/17のアップデートで一部変更があったため追記しました。) (4/23:4/21のアップデートで大幅な変更があったため、記事の最後に追記しました。また、コメントへの返信も行いました) (7/14:アップデート前の内容を元にした記述を一部編集しました。)

無に等しいオンライン対戦

 まず、発売通りのオンライン対戦は評判通り、遅延が酷くてまともに遊ぶことはできませんでした。ここは擁護できないポイントです。  ……といっても、厳密には「ラグ」ではなく「遅延」であり、定期的に全員がフリーズするだけで、自分が動けない間に相手に動かれることはないので、慣れてしまえば遊べないことはないのですが。  しかし、そもそもスーファミのボンバーマンにオンライン対戦などというものはなかったのですから何も問題はなく、少なくともシリーズとして劣化はしていません。  オフラインで一緒に集まって遊ぶ友達のいないゲーマーに人権はないという強力なメッセージが伝わってきます。  私は幸いなことに一緒に遊ぶ兄弟がいるので不満はそんなにありませんが、一緒に遊ぶ相手が周りにいない方は
ゼルダを買いましょう。  ……という状態でしたが、現在ではオンラインでも遅延などの問題はほとんど起こらないようになりました。  その代わり、マリオカートやARMSが発売された現在となっては、ランクバトルでは4人集まることの方が珍しいという過疎状態であり、アマチュアリーグとゴッドリーグでマッチングしたりもしますが……。    ちなみに、オフラインの遅延については、少なくとも私は(Joy-Con2本持ちやJoy-Conグリップ使用時も含めて)発売当初からほとんど感じたことがありません。  ゼルダでも時々報告されるJoy-Conの遅延と、後述する操作性の変化、さらに公式が横持ちを推奨しているなどの情報が複雑に絡まって、まるでほとんどの環境でオフラインでもまともに遊べない状態であるように思っていた方もいるかもしれませんが、そんなことは全くありませんので安心してください。個体差・環境差もあるでしょうが、オフラインなら普通に遊べます。  

操作感の大幅な変更

 一方、オフラインでも「爆弾を狙ったところに置けない」「ボムキックを狙ったところに止められない」「スティック操作がアナログなのでズレる」などの意見は多く見受けられ、私自身も遊んでいてこのストレスは多分に感じますが、  これらは全て、慣れとテクニックの問題だと断言できるでしょう。  スティックについては、Joy-Conの設計上の問題なのでこういうものだと割り切るしかなく、元々が十字キーに特化してデザインされてきたボンバーマンを現代に蘇らせる以上は仕方ないこと。  そして、そもそも、スーファミ時代から細かい動作やタイミングなどのコツはシリーズごとに異なっていました。
中でも、柱の方向にキャラを向けた時、どこなら柱に衝突させて、 どこなら曲がろうとしていると判定して柱を迂回するようキャラを動かすか、 その触り心地は歴代のスーパーボンバーマン5作品でもバラバラのために このへんは、歴代のシリーズを踏まえながらも、今作でのプレイ体験に対して 最適な形になるよう、最後まで調整が続きました。 ― 祝『スーパーボンバーマン R』発売! | ヘキサ日記 | HEXADRIVE
 もし「同じ条件で同じタイミングにボタンを押しても狙った通りに爆弾を置けない」というのであれば、それは欠陥と言えるでしょうが、  常に1マスずれるのだとしたら、常に1マス早めに押せばいいだけ。条件は全員同じです。慣れていきましょう。実際私は30時間ほどプレイしているうちにちょっとだけ慣れてきました。  このような操作感の変更・操作テクニックのリセットは、ボンバーマンに限らず、あらゆる対戦ゲームシリーズに付きまとう問題です。『大乱闘スマッシュブラザーズ』のDXとforがそれぞれ別のゲームとしてeスポーツに採用されているように。  これが単に懐古向けのリメイク作であるなら、過去のファンの要望や思い出になるべく寄り添うべきでしょうが、あえて操作感を大きく変える姿勢からも、「スパボン6」と位置づけるべき作品だと言えるでしょう。  とはいえアップデートのたびに操作性が改善されており、現在ではあまり違和感なく遊べるようになっています。  マップが3D表現になっているストーリーモードで、3Dマップの傾きにスティックが対応してしまっているため、見た目通りにスティックを斜めに入れないと十字に動けない、という奇怪な方向にこだわり抜かれた操作性も慣れが必要でしたが、3月末のアップデートでようやく傾きを無視するようになりました。  

必要最低限のバトルモード

 バトルモードのオフラインでの対戦については、ボンバーマンとして最低限要求されるレベルをギリギリ満たしていると言えます。  ショップ(課金ではなくゲーム内通貨)で解禁できる分を含めて全12種類のステージ、サドンデス・みそボン・ドクロのオプション、優勝までの勝ち数設定と制限時間。非常にオーソドックスです。 image9  これは発売当初の画面。4月末のアップデートでCPの強さが選べるようになり、6月末のアップデートではチーム戦が追加されました。  ちなみにショップでは「スペシャル」という各ステージのマイナーチェンジステージも解禁できますが、見た目が少し異なるだけで元々のステージと何が変わったのかさっぱりわからず水増し疑惑がありますが、元々12個ある時点で十分なボリュームではあるので突っ込むのはやめましょう。 image11 image10 ↑陰が濃くなっただけ?    ステージギミックは(「クラシック」を除いて)どれも独特。シリーズ定番の「トロッコ」「コンベア」などがない代わりに、本作の特徴である高低差を活かしたステージが多くなっています。  この高低差により、パンチやパワーグローブ、みそボンなどで投げたボムの移動マスが細かく変化するので、頭を使う場面は確実に多いです。  ギミックに凝りすぎた弊害か、「アラビアンパレス」「ジャンクランド」など、サドンデス時に中央を封殺しやすいステージがやたら多く、特に「アナダラケ」ステージは中央に入れなくなる現象がしょっちゅう起きるので仕様穴だらけの間違いなんじゃないかと思うほど雑な作りになっていますが、それも含めて1つのゲーム性なので、とにかくバラエティに富んでいることは間違いありません。    その一方、CPの強さを選べない、チーム戦がない、ステージランダムがない、CPのボンバーを選べない(CPに凶悪ボンバーを割り当てられない)など、過去作に比べてとにかく設定できる項目の少なさが目立ちます。  スパボンですら定番だった「ギンギンパワー(最初から火力・ボム・移動速度がMAXでソフトブロックのないステージ)」と「イダテン(最初から移動速度MAXのステージ)」も当初はありませんでした。アップデートで追加されましたが。  最近のシリーズでは当たり前だった「ハンデ」(一部のプレイヤーに最初から火力やボムなどのアイテムを与える)オプションもなくなっています。DSやWiiにあった特殊ルール「パネル」「クラウン」「みきってバトル」などもありません。    ただ、それでも最初に書いた通り、「ボンバーマンに最低限必要なモード」はギリギリ備えています。  そもそも『スーパーボンバーマン』シリーズにはチーム戦もランダムステージもクラウンもハンデもなかった。みそボンも『3』で初めて導入されたシステムだし、『5』までは入れ替わりもありませんでした。  後で詳述しますが、特殊能力オプションは今作の完全な新要素です。高低差もそうですが。  それらが実装された分、一部の要素が他シリーズより劣化しているのも必然だと納得しましょう。『3』で登場したルーイが『4』で消えたりした例もあるのですから。  私たちは知らず知らずのうちにボンバーマンブルジョワになっていただけで、ボンバーマンは本来このくらいのボリュームのゲームだったのだと言い聞かせましょう。  

異常に強いCP

 これはバトルモード、ストーリーモードの凶悪ボンバー戦、さらにストーリーモードの雑魚敵まですべてに当てはまることですが、   ...

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