解説記事 4年前

『あいどる♥ミュージックリレー』の解説(ニコニコメドレー編)

この度、ニコニコ動画とYouTubeに、『あいどる♥ミュージックリレー』という動画を投稿しました。 https://www.youtube.com/watch?v=aHS1Uc6vyBo  このメドレーについては、先日の解説記事で書いた通り、  自分の好きな曲をとことん詰め込んだメドレーで、  しかも盛り上がっていく後半に向かうにつれて自分の趣味色を濃くしていくという暴走を見せました。  まさに自分のためだけのメドレーであり、  自分の趣味をほとんど完全に排除してニコニコの総括だけを目指して作った、3年前の『ニコニコ動画幻奏環』と真逆に位置するような作品です。  一方で、この『あいリレ』というメドレーは、実は構成的には強く「ニコニコメドレー的なもの」を指向しました。  ニコニコメドレーが何かというのは大百科でも見てもらうのが早いと思いますが、要は「ニコニコユーザーによく知られた曲で作ったメドレー」です。  選曲・コンセプト段階で完全に自分の趣味だけを追求したので、  出来上がったものは全くニコニコメドレーではないし、これが自分以外の誰かに受け入れられるとも思っていないのですが、  ただ、この作り方をすれば面白いニコニコメドレーができるのではないかという思いもあるので、  この記事では、どのような試みをしたのか、ということを書いていきます。  正直なところこの文章はメドレー作者以外には何の価値もないと思いますが、このメドレーそのものと同じように、自分が書きたいから、そして、未来の自分が読み返す時のために、書いておきます。  3年前に「幻奏環解説」という記事を別のブログに上げまして、そのブログ自体はもう消滅しているのですが、その時の記事を昔のPCから掘り返して読んでみたら意外と面白かったので、この記事も3年後くらいにそういうものになるかもしれません。  ちなみにその3年前の記事もついでなのでこのブログに上げ直しておきますので、興味のある方は合わせてどうぞ。  

『幻奏環』の反省から続編へ

 このメドレーを製作するにあたって、実は近いうちに『幻奏環』の続編となる正統派ニコニコメドレーを作ることを意識していました。  つまり、『幻奏環2』を作りたいけれど、いきなり作るにはブランクがありすぎるので、幻奏環2に向けたアイデアをこの完全趣味メドレーで試してみて、その反応を見ながら音源も構成も流用して作ろうという考えです。  もっと言えば、当初の予定では『あいリレ』を昨年秋頃に投稿して、この春までに正統派の新作ニコニコメドレーを投稿するイメージすらありました。  それが実現していない理由は、就活や卒論やその他いろいろで忙しく時間が取れなかったこと、Surfaceのデータ全破損でそもそも製作自体を断念しかけたこと、プロジェクトデータが消えて「このメドレーのために作った音色を流用する」という目論見も崩壊したこと、など。  なので、ここから書くことは、幻の新作にフィードバックしようとした理想の話です。  現在、新作ニコニコメドレーを作る予定は全くありません。数ヶ月後には作る気が起きているかもしれませんし、一生起きないかもしれませんし、  そして当然、ここに書いた通りの内容になるかどうかもわかりません。  

幻奏環は何が悪かったのか?

 ニコニコメドレーには伸びるものと伸びないものがあります。  タイミングなどの運がなくて、良いメドレーが伸びないことは多々ありますが、運があっても悪いメドレーは伸びません。  そして、『ニコニコ動画幻奏環』は、良くないメドレーでした。  いろんな方が「幻奏環好き」とか「もっと評価されるべき」とか言ってくださっているのはありがたいし、私自身も個人的には大好きなメドレーなのですが、  話題の動画としてニコニコトップに数日間掲載されるという、大ヒットしてもおかしくない追い風を受けながら殿堂入りに達しなかったのは、そういうことだと思います。  もし『幻奏環』の次を作るとしたら、どこをどう直せばいいのか? ということを考えるために、  (当時)直近の殿堂入り作品の代表であった、ニコニコ動画摩天楼』『NICO VIVACE』『ニコニコ動画十年祭』『ニコニコ動画難民祭』の4作を何度も聴きました。  そして、これらの作品と幻奏環が何が違うのかを分析した結果、  ・最初がオルゴールアレンジから始まらない  ・転調が多い  ・曲が変わるたびに雰囲気が変わる  という問題点が浮かび上がりました。    特に、最大の問題は、転調が多すぎること。  他の人気メドレーは転調があまり多くない一方、幻奏環の転調回数を大雑把に数えたら、60曲しかないのに23回前後転調しています。  作っている間は何度も聴いているので、脳内では綺麗に繋がったように感じますが、初めて聴く人にとっては雰囲気がコロコロ変わるメドレーに思えたのでしょう。特に序盤で。  幻奏環のコメントに「繋ぎが上手くない」「ぶつ切り」という意見が多数寄せられていましたが、それを音楽的に解釈すると「転調が多い」「曲ごとに雰囲気が違いすぎる」ということになるのではないか、と結論付けました。  もっと言えば、メインのメロディーの音域を変化させすぎないという点もあって、あれだけ転調の少ない『ニコニコ動画摩天楼』の「残酷な天使のテーゼ」⇒「紅蓮の弓矢」の転調に衝撃を受けました。    そしてもう1つ、幻奏環は、ジャンルごとの曲数のバランスにとんでもなく気を遣った作品でした。  「2011~2014オールスター」というルールの下では、幻奏環の選曲は完璧だったと今でも確信しています。  にも関わらず、「ボカロが多い」「ラブライブが多い」というコメントが結構来ている。  その理由は、曲ごとの扱いの差が影響しているのではないかと考えました。  作っている側がどれだけ曲数を基準に調整しても、厳密に曲数を数えながら聴いている視聴者はいませんから、  「ラストに千本桜とドーナツホールのボカロ2連続」「印象に残りやすい2曲目にラブライブ、ラスト手前にもスノハレ」というだけで文句を書いたのだと思います。    もちろん、幻奏環が伸びなかった理由は他にもいくつかあると思います(例えばタイトルの微妙さや動画の地味さ、そもそも曲を2011-14に絞ったコンセプト自体など)。  が、少なくともこれらの点は、音楽にあまり詳しくない視聴者に対しても影響があったはずですし、運ではなく実力で明確に改善できる点でもあります。  そこで、『あいリレ』は、「これらの欠点をロジカルに解消するにはどういう作り方をすればいいのか?」ということを考えるところからスタートしました。  

ジャンルメドレーの集合というアイデア

 メドレーとしてすべての曲を一定に扱うことはできないし、「重ね」などの技法がある以上、印象に残る曲・残らない曲が出てしまうのは仕方ありません。  ジャンルごとの時間まで数えていたメドレーが昔あったような記憶もありますが、それも根本的な解決にはならない。  そこで、「そもそも各ジャンルの中で一番有名な曲を1曲ずつ特別目立たせて、その合間にそれ以外の曲を挟んでいく」という作り方をすれば、  目立つ曲だけしか記憶に引っ掛からないような視聴者に対しても、観終わった後に格差を感じさせずに作れるのではないかと考えました。  大きなニコニコメドレーの中に小さなジャンルメドレーが連なっているようなイメージです。  しかも、その目立つ曲でしか転調が起こらないようにすれば、転調の回数も減らすことができます。 ...

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解説記事 4年前

幻奏環解説

この記事は、2015年1月12日に別サイトで公開した記事(現在はレンタルサーバーの関係で閲覧不可能)を、ローカルに残っていたバックアップをそのままコピーして上げ直したものです。  内容は2015/1/8に投稿した『ニコニコ動画幻奏環』という動画の内容に関する解説です。  せっかく発掘できたので一応見られる状態にしたい、というのと、このたび公開した『あいどる♥ミュージックリレー』およびその解説記事とも関連性があるということで、ついでにここに公開しておきます。  以下の内容に関しては一切触っていませんので、3年前の内容であること、あとこのブログに載せるつもりでなく書いていることなどを踏まえて、興味のある方だけ読んでください。 --------------------  1月8日に投稿した『ニコニコ動画幻奏環』。視聴してくださった方、ありがとうございます。  今回のメドレーは、自作フリーゲーム「HITOLIS」の制作が終了した直後の8月末に制作を開始したので、約5ヶ月ほど制作に時間をかけました。 いろいろな意味で私の集大成となっていて、本当にたくさんの思いと仕掛けを詰め込んでいるので、気に入ってもらえたらとっても嬉しいです。    メドレーに関する詳細な解説を書くことにしたのですが、気づけば1万4千字を超える驚異的な長さの記事になってしまったので、目次をつけました。  読みたいところだけ読んでいただければと思います。    記事の前に書いておきますが、この記事では、または、幻奏環に関する投稿前・投稿後のプロモーションに関して、  見方によっては『幻奏環』をまるでオリジナル作品のような扱いで話しているように捉え得ることに対して、不快感を覚える方がいらしたら謹んでお詫び申し上げます。  メドレーというのは二次創作、三次創作、またはそれらの集合ですので、本当はもっと控えめであるべきなのかもしれません。  ただ、今回は1つのエンターテイメントのコンテンツとして、あえて割り切って大々的に盛り上げる形を取りました。  原曲・原動画を作った方々を軽視する意図はありません。理解した上で読んでいただけたら幸いです。   ■目次 ○タイトル・ロゴについて ○選曲基準について  ○御三家について  ○艦これ・カゲプロ・ラブライブについて ○過去曲アレンジについて ○構成について ○全曲解説・小ネタ集 ○エンディングについて ○一部コメント・反応に対する回答 ○次回作について   ■タイトル・ロゴについて  『ニコニコ動画幻奏環』というタイトルの由来は、まず1つは「幻日環」の続編であることを明示しながら、「幻日環!」のようなリメイクではない完全新作であることを同時に示せるようなタイトルにしたかったためです。  サブタイトルが「Niconico Fantastic Circle」であることも含め、演奏という意味での「幻奏」と「幻想」を掛けています。  これは、現在のニコニコを包括的に網羅するメドレー、というのは、昔よりコミュニティが細分化・巨大化した現状では、本当は不可能であるという考えの下、  「自分が目指しているのは(しもさんのメドレー/その時代のニコニコの)幻想のようなものだ」ということを意識した上で名づけました。  そして、「中心点のない/中心点にはなれないニコニコメドレー」ということを考えた上で、「環」をキーワードに作ったのがこのロゴです。 nicofan_thumb3  このロゴのモチーフは、「時計」と「環状線」の2つです。  エンディング映像は、それぞれを60曲に見立てた60個の☆や●があり、路線図のように針の指している部分と曲名表示のタイミングがだいたい一致している……のですが、針の方が固定されてることもあってわかりづらい演出となってしまいました。これは大きな反省点です。  曲名を駅名のように表示する案もあったのですが、時間配分の関係からスライドショー的な表示にすると読めなくなってしまうため現在の形に落ち着きました。  また、この「環状線」「中心のない輪」というコンセプトが、ハチさんの「ドーナツホール」の曲名や歌詞と合致することから、エンディングをドーナツホールにすることを決めました。   ■選曲基準について  ジャンルごとのバランスについては、このような表を作って管理しました。  七色以前については七色のニコニコ動画の大百科単語記事より引用しています。 table_thumb2   幻日環!の頃との違いとして、 ・公式アニメ配信・OP中毒動画隆盛・音MADのメインジャンル遷移などによる、アニメ枠の拡大 ・東方・アイマスはある程度の固定枠を設ける  という2点以外は、選曲しながら柔軟に決めました。  選曲にあたってはニコニコの月間ランキング・カテゴリ別ランキングを参照したほか、  ありらいおん氏のアスキーでの連載『myrmecoleonの「グラフで見るニコニコ動画」』も参考にさせていただきました。『Girls』などがその例です。  その他、東方曲では「JOYSOUNDカラオケランキング」も参考にしました。『Grip & Break down !!』『月に叢雲花に風』などがその例です。  ちなみに本編映像の曲名の背景色はジャンルごとに分けており、上記の表の曲数は背景色の使われ方に対応しています。 (黄:アニメ、黒:ゲーム、緑:ボカロ・UTAU、赤:東方、桃:アイマス、青:その他)  Let It GoやUNICORNがその他枠だったり、感覚的に決めているところもありますが。    ジャンル区分以外での選曲方針として、  「同じ作品由来の曲は流行っていてもなるべく1曲のみ」という縛りがあります。  60曲という制限の中でできるだけ多くのジャンルから採用するのと、そのジャンルを知らない人の反感を減らすための措置で、  『ジョジョ2期OP』『進撃の巨人後期OP』『アニマス後期OP』などがこの例です。  『リズム天国シリーズ』は音楽メインではないので例外として。  「幻想万華鏡」や「デレマス・ミリマス」は、2曲を1曲のように扱うことで優遇のような雰囲気がないようにしたのですが、後者は上手く区切れずに少し長くなってしまいました。   ■御三家について  ボカロはカテゴリタグの区分の影響で、幻日環と違いUTAUをボカロ枠に含めました。  ボカロは2011~2013年も千本桜・カゲプロを中心にヒット曲が多かったため、あまり選曲で困ることはなかった一方、2014年の曲は入りませんでした。最新なのは2013年末の『ドーナツホール』です。 (最後の1枠をロストワンの号哭とストリーミングハートで迷っていました)  東方は原作の最新作などから選曲することも検討したのですが、傷林果・ニコ童祭など話題になった動画がなかったわけではないので、ニコニコ内のみで選んだ結果、今回はアレンジのみとなりました。  「幻日環!」で東方よりアイマスの方が多かったのと、東方は過去の曲のアレンジが多くなっていることを踏まえ、今回は東方を多めに(というかアイマスを少なく)しました。  アイマスは、ニコニコ内の規模はあったものの、楽曲として見た際の知名度の高い曲はあまりなく、またアイマスに触れていないユーザーが知らない曲も多いと感じたため、  「2011年以降のアイマス/ニコマスを象徴する曲」という意味で、アニマスのREADY!!、モバマスのお願いシンデレラ、グリマスのThank You!という3曲を選出しました。  私自身がグリマスユーザーであることも関係していないといえば嘘になりますが…これ以上にしっくりくる曲がなかった、という面が大きいです。   ■艦これ・カゲプロ・ラブライブについて  個人的にこの3ジャンルは、ここ2~3年に限って言えばそれぞれ東方・ボカロ・アイマスと対になる規模の作品である、という印象を持っています。   ...

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