ユニバース・アドベンチャー‐本編 14年前

ユニバース・アドベンチャー ★37

YouTube: 聖少女領域  ★37 To The Last Mission 「どういう事なの?バイオレットって……」  あたしは驚いて、リアに詰め寄った。  一応説明すると、バイオレットというのは中央政府に反発する、いわゆるテロ組織で、ダークネスに賛成し、ソルジット警察を含む中央政府を敵視している。 「どうやら、ダークネスの力を弱める事に反対したバイオレットが反乱を起こしたらしいです。  今は、シンシア全体がバイオレットの物です……」 「……シンシアに戻さないと、鏡は威力を発揮しないんだよね?」 「正確には、あの祭壇です。祭壇に特殊な力があるので……。  まあどちらにせよ、バイオレットが見張っている限り、祭壇を持ち出す事もできないでしょうね」  気まずい沈黙が流れた。  ダークネスもソルジット警察も倒し、後は帰るだけだと思ったのに、最後の最後でこんな伏兵がいたなんて……。 「……行こう」  ヒカルがぼそっと呟いた。 「……ここまで来れたんだ、今さらバイオレットなんかに負けてたまるか」 「……そうよね!」  確かにそうだ。  こんな所で諦めていいはずがない。 「戦いましょう。  シンシアを取り戻して、トリップミラーをあるべき所に戻すのよ!!」  あたしたちは勢いをつけてUFOに乗り込んだ。  目指すは最初で最後の惑星、シンシアだ。  シンシアには、監視用のUFOが10台ほど浮いていた。 「……どうするの?」 「あれだけいると、隠れて進むのは無理ですね。  戦う方がいいでしょう」 「ええ!?  でも、このUFOは戦闘用じゃないですよね?」  セインが聞いたが、リアは首を振った。 「フローラで、最低限の戦闘はできるように改造してあるんです。  ミサイルは20発ほど搭載しています。  今お見せします」  そういって、リアはあるボタンを押した。  するとUFOが大きく揺れ、ミサイルが発射された。 「自動で敵を追いかけるタイプです」  ミサイルはまっすぐに監視用のUFO向かって飛んでいき、そして、何秒かそのUFOの近くで止まった後……墜落させた。 「……あれ、しんじゃうんじゃないの?中の人」 「大丈夫です。  ミサイルは自動でターゲットの重さや近くの惑星の位置を測定して、ちょうど近くの惑星に墜落できるようなタイミングを見計らってくれますから」 「……どんだけハイテクなの?」 「これで、何とか隙ができました。  さあ、着陸態勢に入りますよ」  そういってリアはシンシアの大気圏に突っ込んで行った。  シンシアに入った途端、あたしはその豹変ぶりに目を疑った。 「うそ……これが、あのシンシア……!?」  目の前に広がるのは、一面焼け野原と瓦礫の山。 「バイオレットは、本当にひどいですね……ダークネスより容赦しませんね」  あたしはバイオレットに対して、本気で怒りを覚えた。 「あれが……バイオレットの本拠ですね」  バイオレットは、短時間で祭壇の周りに堅固なバリケードを作っていた。  バリアも張られていて、UFOでは近づけそうになかった。 「……こうなったら、一度あの森に着陸して、そこから様子を伺いましょう」 「そうね……むやみに突っ込んでも、返り討ちに遭うだけだし……」  あたしたちはリアの意見に賛成して、一度森に着陸する事にした。  最後の戦いが、始まろうとしていた……。 ...

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ユニバース・アドベンチャー‐本編 14年前

ユニバース・アドベンチャー ★36

YouTube: Zettai Karen Children - Over the Future ~The Children ver~  ★36 Is It The Story's Final Scene? 「これで……終わりだ」  ダークネスはそう言って、無数の触手をあたしに向かって伸ばしてきた。  チャンスは、一度きりだ。  あたしは迷う事無く、ポケットからショックガンを打つと、ガラスケースを打ち抜いた。  ガラスは粉々に砕けた。  中からは、あたしの思ったとおり、きらきらと輝くトリップミラーが出てきた。  あたしは次に、天井に向かって鋼鉄の球を投げつけた。  天井も瓦礫となって崩れ落ちた。  もちろんダークネスは実体がないので効かないし、あたしもそんな事は狙っていない。  1階建ての天井がなくなった事で、部屋の中には日光が降り注いだのだ。  その光の中にはもちろん、トリップミラーに当たる光もあったわけで……。 「うわああああっ!!」  トリップミラーが反射した光がダークネスに当たって、ダークネスの動きは止まった。  その隙にあたしはトリップミラーのある場所へと走った。  トリップミラーを奪取したあたしは、トリップミラーをダークネスに向けた。  ダークネスに当たる光が強くなり、ダークネスはさらに弱まった。  その時、廊下からどたどたと大群で誰かが押し寄せる音がした。  あたしが見てみると、それはソルジット警察の人たちだった。  その後は、簡単だった。  弱まったダークネスはソルジット警察の大群に恐れ、瞬時に消えた。  その後、ソルジット警察はあたしと一緒に他の5人を見つけて、外に出るや否や、城を爆破した。 「何してるんですか!?」 「……ダークネスの武器などが残っていると、後々邪魔になるかもしれないからな。  ……ところで……」  あの刑事が、手錠を出しながら近づいてきたので、あたしはぱっと避けた。 「……何考えてるんですか?」 「……公務執行妨害だ」  みると、セイン以外の4人は、すでに警官に捕まっていた。 「でも、それがなければダークネスに勝てなかったでしょう?」  あたしは冷たい声で聞いた。 「……それが問題なんだ。  お前たちがダークネスを先に封印したとあれば、俺たちの威信に関わる。  ……逮捕するのが、一番安全なんだよ!」  刑事が駆け出そうとしたので、あたしはショックガンを取り出して、構えた。 「……いい加減にしてください。  あたしたちは必死に戦ったんです。  セインは瀕死の重症になって、リアもやられそうになって、それでも勝ったんです。  最後の最後にのこのこ出てきて、何考えてるんですか?」  あたしは本気でムカついてきた。 「……それを撃った所で、お前が逮捕される事に変わらない。  ソルジットに来たのが運の尽きだな」  そういって、刑事たちがあたしを取り囲んだ。  ……すると、突然黒雲があたしたちの上空に集まってきた。  そして、突然黒い稲妻が轟音とともにあたしの周りに落ちてきた。  しかし、あたしだけはなんともなかった。  ……なんと、稲妻は全て警察の群れに突っ込んで行ったのだ。  黒い稲妻は、警察を蹴散らした。 「……嘘でしょ?」  驚いた事に、捕まっていた4人も、怪我をしていたセインも無傷なのに、警察で起きているのは1人もいなかった。 「………」  あたしたち6人は、何とかUFOの所に集まった。  セインは、ヒカルとカナが肩を貸していた。 「……何が起こったかわかる?」 「わかんない……けど……。  たぶん、ダークネスが助けてくれたんじゃない?」 「ええ!?」  あたしの言葉に、他の5人が驚いて、理由を聞こうとした。  しかし、その前にリアの携帯に電話がかかってきた。 「……はい……もしもし……ええ!?」  あたしたちは驚き、揃ってリアの事を見た。 「誰から?」 「お母さんです」  そういってリアは深く息を吸うと、深刻そうな面持ちで、こう告げた。 「……シンシアが、バイオレットに侵略されました」 【第6部 惑星ローネア編 完】 ...

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ユニバース・アドベンチャー‐本編 14年前

ユニバース・アドベンチャー ★35

YouTube: ひぐらしのなく頃に  ★35 Which Way should I choose? 「どういう意味?」  ──このままではお前に手を出さなければならなくなる  ──なので、交換条件を用意した 「……まさか……」  ──お前が大人しく武器を捨てて地球に戻るならあの女を解放しよう  ──それに、あの青い髪の男も、ちゃんと手当てして、傷ひとつ残らないようにしてあの女と一緒に解放してやる 「……もし、断ったら?」  ──わかっているだろう?  あたしはどうすればいいの?  あたしがそのまま行けば、あたしも他の5人も、みんな無事に帰れる。  あたしがここで戦えば、全員ころされるかもしれない。  普通に考えれば、そのまま進むのが一番だ。  でも、たとえばリアとセインが助かって、そのまま帰れたとする。  その後、リアとセインは何をするだろう?  ……きっと、ダークネスと戦う道を選ぶだろう。  そして、負けるかもしれない……。  つまり、あたしが選べるのは、  確実に4人助かる道と、  もしかしたら6人全員助かる道。  あたしは、どっちを選べばいいんだろう……?  ……考えるまでもない。  あたしは……。 「断るわ」  ──いいのか? 「あたしが選ぶ道は……あんたになんか選ばせない!」  あたしは駆け出した。  その部屋の一番奥には、扉がある。  邪魔される前に行こうとしたが、声は全くぶれずに聞こえていた。  ──私は、こんな所でお前を阻んだりはしない  ──しかし、覚えておけ  ──私は、愚か者には容赦しない…… 「あんたなんかに容赦してもらわなくても結構よ!」  あたしは、勢いよく扉を開けた。  目の前に広がったのは、巨大な闇だった。 「来てしまったか……」  ダークネスの、本当の声。  それは、耳に入れるだけでぞっとするほど、冷たかった。 「……サエたちはどこ?」 「知る必要はない」 「あるわ。  あたしの仲間よ」 「必要はない。  なぜなら、お前が選んだ道は、しぬ道だからだ……」  闇がうねり、形を変えて巨大な触手が生み出された。  触手がうねりながらあたしの方へ近づいてきた。  あたしはさっとしゃがんだりジャンプしたりして必死に避けたけど、触手は無限にある。  大きさも自由に変えられて、何度でも復活できるし、そもそも実体がないので攻撃が当たらない。 「どうした?これで……終わりか?」 「くっ……」  どうすればいいのか、わからない……。  そう思ったとき、不意に私の目に、あるものが映った。  それは、真っ黒で、ほとんど光を通さない、ガラスケースだった。  あの中には……何が入ってるんだろうか?  ダークネスが、どうしても、光を通させたくないもの。  それは、つまり……。  あたしの脳裏に、ある言葉がよみがえった。 『あの鏡が、この宇宙に向けて輝く限り、ダークネスは、人々に危害を加える事はできません』  もしかして、あの箱の中に入ってるのは……トリップミラー?  あたしはだんだんと体力が減っていくのを感じていた。  もし、あの中に入っているのがトリップミラーなら……あの鏡の光を当てれば、ダークネスの力は、確実に弱まる……!  あたしは、ポケットの中をまさぐった。  中に入っていたのは、護身用に、とリアからもらった、鋼鉄製の(といってもすごく軽い)ボールと、前にもらった小型のショックガン。  ……いける。  あたしはそう確信して、動き出した。 ...

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ユニバース・アドベンチャー‐本編 14年前

ユニバース・アドベンチャー ★34

YouTube: BRAVE PHOENIX  ★34 Where is The Mate? 「……急ごう」  あたしは声を絞り出した。 「早くダークネスを倒して、3人を助けよう」  あたしはそう言うと、落とし穴を避けて猛スピードで駆け出した。 「あ、待ってください、ルナさん!!」 「待ってよ!!」  カナとセインが追いかけてきたけど、あたしは振り返りもしなかった。  一刻も早く3人を助ける、それだけを考えていた。  大切な仲間を、失いたくない……。  あたしはそんな想いに駆られ、周りの事が見えなくなっていた。 「危ない!!」  カナが叫んだ。  俯いていたあたしが前を見た時、そこには空っぽの鎧が立っていた。  鎧が剣を振り上げた時、あたしは、死を覚悟した。  鋭い金属音がした。  見ると、あたしの目の前にはセインがいて、その鎧の剣を自分の剣で防いでいた。 「さあ、早く、逃げてください!」  あたしが逃げると、セインは再び戦いに集中しようとした。  しかし、一歩遅かった。 「うっ!」  セインがあたしにかまっていた一瞬の隙を突いて、鎧はセインの腹をざっくりと横に切り裂いた。  セインの腹から血が噴き出た。 「セイン!?」  あたしはセインに駆け寄った。  鎧はチャンスとばかりに再び剣を振り上げたが、それを振り下ろす前に走ってきたカナが鎧を足払いして転ばせた。  鎧は後ろにひっくり返り、がしゃがしゃと大きな音を立てて崩れた。  あたしはまた呆然とした。  あたしのせいで、仲間がころされた……?  そう考えている間に、カナはセインに近寄ると、カナが羽織っていたジャケットを巻きつけてセインの腹を押さえ、それから脈を測った。 「……大丈夫。  まだ生きてるし、傷も浅いから、命に別状は無いよ。  ……ただ、かなり出血はひどいから、誰かがついてないと危ないかもしれない……。  ……ルナ、ダークネスの所へ行って」 「何で!?  セインをほうっておけるわけないじゃない!」 「セインなら、あたし1人で十分だから」 「あたしの責任なのよ!?」 「責任があると思うんだったら!!」  涙をこぼしながら大声を出したあたしを、カナは怒鳴りつけた。 「……一刻も早く、ダークネスを倒して、ヒカルたちを助けて、病院に運ぶのが一番いいのよ。  それが、あたしとセインにその役割をできなくさせた、ルナの責任なんだから……」  その時あたしは、そんな事を考えてる場合じゃないと思いながらも、カナは見かけとは違ってすごく大人なんだな、と思った。 「……早く、行って。  早く、ヒカルたちを助けて、ダークネスを倒して!」 「……ありがと、カナ」  あたしはカナに小声で礼を言うと、また駆け出した。  しばらく何も無い廊下が続いた。  あたしはその間、一度も足を止めずに走り続けた。  すると、突然広い部屋に出た。 「……何……ここ……」  すると、あたしの頭の中に声が響いた。  ──武器を捨てろ  実体は無い。  直接あたしの頭に語りかけているような感覚だ。 「何で!?」  あたしは、あえて大声を出した。  ──私は、お前と戦うつもりは無い 「どういう事?」  ──私の目的は、この宇宙の支配だ  ──地球の者に手を出すつもりは無い 「……だからって、ソルジット系を見捨てられるわけ無いでしょ?  大体、あなたを倒さないと、地球にだって戻れないのに……」  ──お前の仲間2人は、もう鏡のすぐ近くの部屋にいる 「……リアは?」  ──あの女は……お前が選べる ...

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ユニバース・アドベンチャー‐本編 14年前

ユニバース・アドベンチャー ★33

YouTube: 奈落の花  ★33 Which is The Enemy? 「あれがローネアですね?」  サエが聞いた。  一目で確信が持てるくらい、わかりやすかった。  というのも、その惑星は全体が黒い雲で覆われていて、どう見てもうす気味悪かったからだ。 「ええ、そうですけど……」  そう言っているうちに、あたしたちのUFOはローネアに着陸した。  と同時に、ソルジット警察のUFOが何台も目に入った。 「……またお前らか……。  邪魔をするなと連絡してあったはずだろう?」  そう言いながら現れたのは、シベルで会ったあの刑事だった。 「悪いことは言わないから、シンシアに行っててくれ。  俺たちにとっても、お前たちは足手まといにしかならん」 「どうでもいい。  おれたちは、今までずっとダークネスを倒すために、誰にも頼らずにやってきたんだ。  今さら警察に任せるつもりはない」 「……そっちがそのつもりがなくても、こっちにとっては邪魔だ。  いざというときは、俺たちの方に権利がある事を覚えとけ」 「……どういう意味ですか?」  リアが静かにたずねた。 「もしも実力行使になったとき、正当化されるのは俺たちという事だよ」 「どうしてですか?  そんなの職権乱用でしょう」 「きれいごとは聞きたくない。  実のところ、俺にはお前たちを発砲しても、正当化できるだけの力がある」 「……わかりました。  では、私たちはあなた方と戦うのをあきらめます」 「おい……何言ってんだよ?」  ヒカルが驚いたが、リアは目で何か合図した。  どうやら、策があるみたいだ。 「……皆さん、UFOに戻ってください」  あたしたちは、リアが何を考えてるのかわからないままUFOに戻った。  するとリアは、地面から30cmくらいのところへ浮かび上がると、それ以上飛ばずに、警察の群れへと突っ込んで行った。 「うわあああっ!」  警察は大混乱に陥った。  リアはなおもそこを突っ切り、次々と警察を吹き飛ばしてダークネスの城へと向かって行った。  UFOの中は、リアに対する賞賛でいっぱいになった。 「凄いじゃないか、リア!」 「いえ、あの刑事の言い方があまりに的を射ていなかったので。  なんにしても、これで邪魔者はいません。  ダークネスを倒しましょう」 「おー!!」  こうしてあたしたちは、決意を新たにダークネスの城へと向かった。  そして、城の玄関。 「これが……」  あまりに大きな城で……といっても、1階建てだから砦に近い木もするんだけど……あたしたちはその大きさだけで圧倒された。  とはいえいつまでも圧倒されているわけにもいかないので、代表してヒカルが扉を押し開けた。 「うわ……」  長く引かれたレッドカーペットと、蝋燭の灯った廊下。 「……普通の城だな」 「ですね」  あたしたちは、少し拍子抜けしながらも、その廊下を普通に進んでいった。  落とし穴とかの仕掛けがあるかと思っていたが、全く無かった。 「何だ……何にも無いじゃんか」  ヒカルは少し呆れていた。 「まあまあ、そのまま進めるならラッキーじゃない……うわっ!」  突然、仕掛けが発動した。  どうやら、今までの平坦な道のりは、油断させるための伏線だったらしい。  突然巨大な落とし穴が開き、先を歩いていたサエ、リア、ヒカルが飲み込まれていった。 「うそでしょ……」  あたしは呆然とした。  初めて、ダークネスに恐怖と、そして怒りを覚えた。 ...

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ユニバース・アドベンチャー‐本編 14年前

ユニバース・アドベンチャー ★32

YouTube: 空色デイズ  ★32 Go to The Final Planet 「……で?次はどこへ行くんだ?」 「えーと……次はですね……」  リアが言葉を続けている途中に、突然着メロがUFO内に鳴り響いた。 「あ、ちょっと待ってください。  ……もしもし……あ、お母さん?」  どうやら、相手はロディアさんのようだった。 「今は……ラーミアを出たところだけど……え!?  ……じゃあ、そこへ……ええ!?  ……あ……そうなんだ……わかったわ……じゃあ、伝えておくね」  リアはそういって電話を切ると、あたしたちの方に向き直って、こういった。 「ダークネスの本拠地の場所がわかりました!」 「ええ!?」  あたしたちは全員揃って大声を上げた。 「何なんだ、その新年早々の急展開は!?  ていうか、これからどうするつもりなんだ?」 「……ダークネスを倒せるので、もう武器を届ける必要は無いそうです。  場所は南地区の惑星ローネア。  今も警官がそこへ向かっているので、今すぐシンシアへ戻れと、ソルジット警察から命令が来たという事です」 「……無視しろ」  ヒカルが過激な発言をした。 「だめですよ。  今すぐシンシアに戻ったほうが、確実に早く帰れますよ?」 「確実じゃないだろ。  ソルジット警察はそんなに頼れる組織なのか?」 「……まあ、そんなでもないですけど……。  でも、あまり反抗すると、逮捕されますよ?」 「……それでもいい。  ここまで来て、いまさら手をくわえて見てるだけなんて、できないだろ?」 「……そうね」  ヒカルの力強い言葉に、あたしも賛同した。  今まであたしたちは(実時間で)1ヶ月間、ずっと一緒に戦ってきた。  某リアルな鬼から某マスコットキャラまで、暑い星も寒い星も、一緒に攻略してきた。  なのに、最後の最後で警察に全てを託すなんて、できるわけがない。 「やめた方がいいですよ。  ロディアさんだって反対してたんでしょう?」  セインが何とか流れを変えようと、リアに聞いてみた。  しかし、リアの答えは芳しくなかった。 「実は……お母さんは、『私はシンシアに戻れなんて思ってないわ。  ソルジット警察はフローラの事をあまり良く思ってないから、鼻を明かしてやって』と……」  あたしは、ロディアさんのやりそうな事だと思った。 「……あれ?  でも、警察ならテクノスターとか歓迎してるんじゃないの?」 「それが、そうでもないんですよ。  警察は、インターネットが犯罪の温床になっているからと、フローラの壊滅を狙ってるんですよ。  もちろん表向きにはしてませんが。  ソルジット警察は、意外といろんな組織と対立してるんですよ」 「……それなら、ますます信用できないんじゃないのか?」 「……まあ……そうですけど……。  でも、さすがにソルジット系全体に関わる事で、ミスなんてしませんよ。  この件に関しては、ソルジット警察はかなり慣れていますから」 「……だが、どっちにしたって、考えを変えるつもりは無いぞ?  警察には、頼らない。  ……みんなだって、その方がいいだろ?」 「……あたしはその方がいいわ。  ダークネスは、私たちの力で倒しましょうよ」  あたしはそう意見した。 「あたしも、ヒカルに賛成かな。  警察はきっと大人数で行くから、逆にやられやすいと思うの。  あたしたちだけで行った方が、絶対に早く勝てるよ」  カナも賛成してくれた。  あたしたち3人はサエの事をじっと見た。 「……わかったわよ。  私は、警察とはあんまりもめ事は起こさない方がいいと思うけど……。  ルナたちがその気なら、それでいいわよ」 「……僕も、皆さんに賛成です。  どっちにしたって、4対2では勝ち目がないですし。  ね、リアさん?」 「……わかりましたよ。  なら、もういいです」  こうして、あたしたちは最後の冒険に出発した。 【第5部 惑星コンフォーコ~ラーミア編 完】 ...

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ユニバース・アドベンチャー‐本編 14年前

ユニバース・アドベンチャー ★31

YouTube: Oh! My Honey  ★31 Love's Magical Hikaru LunLun 「……放してください」 「理由を聞かせてください」 「放してください!」  ヒカルはそういってその人の静止を振り切り、逃げ出した。  もともとヒカルは運動神経はいい方なのだが、さすがに服装がミニスカートでは思いっきり走る事もできず、動きにくそうだった。  そのため、その人に追いつかれはしないものの逃げ切る事もできない状態になってしまっていた。 「……こうなったら……!」  ヒカルは通路を急いで曲がると、人ごみの中を直進した。  大勢の人の中に紛れて、隠れるつもりだったのだろう。  ところが、ヒカルのあまりのスピードに人ごみの方が両側に避けて道を作ってしまい、逆に通った道がわかりやすくなってしまった。  そこでヒカルは作戦を変えて、今度は誰もいない廊下を全力疾走し始めた。  人のいない廊下なので、すでにスカートが捲り上げられているのとか全く気にしていない。  そのためスピードはさっきまでと全く違い、その人を引き離せる……はずだった。  ところが、その人も周りに人がいないとわかると遠慮をやめ、突然スピードを上げ始めたのだ。  2人とも目にも止まらぬ速さで走っていて、もしここに誰かが現れたら瞬時に跳ね飛ばされるだろうというくらいの勢いだった。  おそらく、普通の人は自転車でも抜けないだろう。 「ついて来ないでください……!!」  ヒカルが言ったが、あまりの速さで大部分はかき消されていた。  とはいえ、何とかその人も聞き取れたらしかった。 「ダメです!  僕は今まで……こんな感じで10人以上の女性に嫌われてきたんです!  なので……本当に、何がいけないのか、知りたいんです!!」  なんだかすごく可哀想になってきたけど、だからといってヒカルが止まってあげるわけもなかった。 「他の人をあたってください!  私はそういうアドバイスできるほどの経験なんてないので!!」  ……まあ、実際女性になって8時間弱だし。 「そんな事言わずに!  あなたは、僕にいいアドバイスをくれる気がするんです!!  僕の本能が告げています!!」  ……役に立たない本能……。 「今すぐ捨ててください!!  警察を呼びますよ!!」 「……僕は何にも悪い事はしてません!!」  言われて見れば、確かにそうだ。  そこでヒカルは最終手段として、たまたま通路近くにあった女子トイレに飛び込んだ。 「待ってください!ヒカルさん!!」  その人は悲痛な面持ちで必死に呼びかけたが、ヒカルは無視した。  その人はそれから10分くらいでいなくなったんだけど、ヒカルはそれから20分くらい閉じこもっていた。  ヒカルにとっては当然初めて見る光景だったので、その間中そわそわしていて、それはそれで滑稽だったんだけど、30分もするとさすがに飽きたので、あたしは呼びに行く事にした。  ちなみに、この話の5行目からの描写は、全てリアから借りた監視用のUFOからモニタリングしていた。  誰もいない廊下には隠れるところもないし、だいたい隠れてたら追いつけないし。 「おーい!ヒカルー!  いつまで隠れてるのー?」  あたしがそういって呼び出すと、ヒカルは顔を真っ赤にして個室から出てきた。 「…………」 「ん?  どうかしたの?」 「……どこで見てた」 「え?」 「……どこで見てたかって聞いてるんだよ!!」  ヒカルの強烈な右フックが炸裂した瞬間だった。  あたしは、ヒカルがれっきとした男性である事を改めて思い知らされた。 「……にしても、面白かったね~。  ヒカルの女 装。またやってよ」 「ぜったいに嫌!!」 「……あら、でもセインのも面白かったですよ?  あ、録画してあるので観ますか?」 「観る観る!」 「私は、ヒカルの方が観たいんだけど……」  来年、セインの分岐ルートをやるかどうかは未定だけど……。 「一ヶ月間ありがとうございました!!」 ...

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ユニバース・アドベンチャー‐本編 14年前

ユニバース・アドベンチャー ★30

YouTube: 恋のミクル伝説  ★30 Party of The Larmia 「……では、これよりラーミア創立410周年記念のパーティーを行います。  なお、男性の方は夜10時までにお帰りください。  明日の朝3時までパーティーは行われるので、女性の方はそれからも参加する事ができます。  では、皆さん、ごゆっくりお楽しみください」  司会の人がそう宣言すると、会場のあちこちから歓声が上がった。  このパーティーは3部に分かれていて、第1部は長々とした祝辞とかが読まれる式典、第2部が男女ともに楽しむパーティー、第3部が女性だけのパーティーになっているらしい。  だいたいの人は第2部から出席するけど、第1部から出ている人はかなり退屈していたので、第2部の始まりを待ちわびていた。 「……で?おれは何をしてればいいんだ?」  ヒカルが不機嫌そうに言った。  ちなみにヒカルとセインはさっきの服装のままだけど、あたしたち女性陣4人もスカートやワンピースのような華やかな服装に着替えている。 「別に、どこに行ってても大丈夫ですよ。  あ、それから、自分称だけは私に直しておいてください。  口調はそのままでもツンデレっぽくて不自然ではありませんが、自分称くらいは直さないとおかしいですから。  ……セインもですよ☆」 「……ツンデレって……できれば避けたいんだが……。  どうすればいいんだ?」 「そうですね~。  だったら敬語はどうですか?  女言葉はさすがに抵抗があるでしょうから……」  リアが提案した。 「わかった……じゃなくて、わかりました」 「そんな感じですよ☆」  リアが拍手した。  ヒカルが席を離れると、カナがあたしの肩を小突いた。 「ねえ……つけてみない?」 「え!?どうして?」 「……だって、なんだか面白そうじゃない?  ヒカルの事だから、絶対愉快な事件に巻き込まれるって」  本人にとっては愉快どころか超絶に不快なのだろうが、確かに一理あったので、あたしとカナはヒカルをつけることにした。 「……くそっ……なんでこんな格好を……」  ヒカルは歩きながら毒づいていた。  もちろん、誰にも気づかれないような小さな声だったけど。 「全く……別にこんなところ来なくてもいいのに……いたっ!」  俯いて早足になっていたヒカルは、誰かとぶつかってしまった。 「あ……すみません……」  そういってヒカルは足早に立ち去ろうとしたが、その人はヒカルの肩をがっしりつかんで目の前に引き戻した。 「あなた……お名前は?」  その人は、10代後半の男の人だった。 「……ヒカルですけど……」  ヒカルはとてつもなく不安そうな顔をしていた。  おそらく、これからの展開が読めているのだろう。 「どうかしたんですか?」 「……あなた、恋人とかいます?」 「!!」  ヒカルは目を見開いた。 「さっきぶつかった時に思ったんです。  この瞬間に出会ったのは運命。英語で言うとデスティニー。ですから僕、あなたの事が……」 「……やめてください……」  ヒカルは必死に逃げようとしたが、慣れない服装のため思うように動けない。 「……お願いです!  今夜9時から行われるメインイベントのダンスパーティーで、一緒に踊っていただけませんか?」 「……え……えーと……」  絶対嫌です。ヒカルはそう言うのを必死にこらえていた。 「……あ、私、用事があるのでこれで……」 「何があるんですか?  終わるまで待ちます、ダンスには間に合わないんですか?」 「………」  その人からすれば好意なのだろうが、ヒカルからすれば果てしなく迷惑だ。 「あ、私……踊る相手が決まってるんです」 「……誰ですか?」  ヒカルは名案を思いついたと思ったのだろうが、その人は意外にしつこい性格のようだった。 「その方に比べて僕の何が劣っているんですか?  教えてください、できればその方に会わせてください!」 「………」  ヒカルはひたすら困っていた。 ...

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ユニバース・アドベンチャー‐本編 14年前

ユニバース・アドベンチャー ★29

YouTube: なんてったって☆伝説  ★29 We Entry to Larmia 「……ラーミアに来るのは初めてですか?」 「はい」 「わかりました。  では、女性かどうかの検査をするので、ここに並んでください」 「はい」  あたしたち6人は、ラーミアの入星検査を受けている。  普通の星は入るのにパスポートすらいらない(都道府県的存在だから当たり前)のだが、この星は性別検査が必要になっているのだ。 「お名前は」 「ルナ、サエ、カナ、ヒカル、リア、それから……」  そういってリアはセインをちらっと見た。 「……ハーマイオニーで」 「……『で』?」 「いえ、ハーマイオニーです」 「わかりました。  では、ラーミアでごゆっくりお楽しみください・  ……あ、それから」  あたしたちがさっさと行こうとしたので、監視員の人が呼び止めた。 「今日の夜にはラーミア創立410周年記念のパーティーがあるので、ぜひ出席してくださいね」 「わかりました」  あたしたちはまっすぐホテルに向かった。  そして防音機能のついている部屋を選択し、扉をゆっくりと閉めた。 「……って!!  何で僕の偽名ハーマイオニーなんですか!?」  ぱたん、という扉が閉まる音がしたまさにその瞬間、セインが勢いよく口を開いた。 「だって、その方が面白いじゃないですか」 「……ていうか、まずこの服をどうにかしてほしいんだが。  もう少しおとなしい感じのは無かったのか?」  ヒカルが不機嫌そうな顔……というか、不機嫌そのものの顔で言った。  セインが着ている……じゃなくて、着せられているのは、胸元が大きく開いた白のキャミソールと、水色のミニスカート。  ヒカルは黒いブラウスにフリルのついたオレンジ色のスカートを着ている。 「ていうかそもそも、お前ら全員デニムだろ。  何でおれたちだけスカートなんだ?」 「だって、2人がデニムとかだったら、普通にバレちゃうじゃない。  あえて女性らしさを表現できる服装の方がバレにくいでしょ?」  あたしが意見すると、2人は黙ってしまった。 「本当ならメイド服とかにしようかと思ったんですが、さすがに怪しまれるので……」 「あの~、僕たちの事着せ替え人形かなんかと間違えてませんか?」 「あら、違ったんですか?」  リアの言葉を聞いて、あたしは、本当にロディアさんとリアは親子なんだな、と実感した。 「……で、早く武器を届けてここを出たいんだが」 「残念ですが、それはできません。  ほら、記念パーティーがあるって言ってたじゃないですか?  この星のリーダーも、みんなあのパーティーの準備で忙しいんですよ。  なんせ、10年に1度、ラーミアの力を総結集して催されるパーティーなんですから。  今日だけは、男の方も普通に入れるみたいですし……」 「え?」  ヒカルが声を出した。 「……入れるのか?普通に」 「いえ、今日の夜までですよ。  私たちは明日までいるんですから、そのままだと2人だけ強制的に追い出されますよ?」 「そうか……。  って!  男が来るのか!?」 「それがどうかしたんですか?」 「目に見えてるんだよ!!  どうせあれだろ!?  ヒナ祭り祭りの再来なんだろ!?!?  どうせセインかおれに鉄ヲタがまとわりつく展開になるんだろ!?」 「……どういう意味ですか?」 「そうなんだろ!?  どうせ明日のタイトルは『Love's Magical Sein Lun Lun』なんだろ!?」 「いえ、たぶんあさってですよ」 「どっちでも一緒だ!!  大晦日にそんな話をするな!!」  こうして、パーティーの時間は刻々と近づいていた。 ...

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ユニバース・アドベンチャー‐本編 14年前

ユニバース・アドベンチャー ★28

YouTube: Power of Flower  ★28 Worst Crisis of Hikaru 「ああ、忘れてました。  少し困った事があるんですけど……」 「どうしたんだ?」 「実は、ラーミアは、女性しか入れない惑星なんです」 「……は?」 「もともとラーミアは、まだ女性差別が根強かった頃……といっても、何百年も昔の事ですけど……に、女性たちが自立できる環境を、という事で開発された星なんです。  無人だったその星に、何人かの女性が移住して以来、その星には女性しかいません。  男性は立ち入り禁止になってるんです」 「……でも、それだとどうやって子どもを産んでるの?」 「それは大丈夫です。  女性の多くは、外に出て結婚して、子どもを産んで、子どもが20歳くらいになるまで育ててからから男性と離れてラーミアに戻ってくるらしいですから。  死ぬまで家庭に縛られたくはないが、子どもは欲しい、と考える男性も多いみたいですよ」 「ふうん……。  棲み分けができてるんだね」  あたしは感心した。  そんな方法、発想があるなんて、とても地球ではできないから……。 「……で?  おれとセインはどうすればいいんだ?」  ヒカルが苛々したように言った。 「……どうしようもないんですよ。  UFOは1台しかありませんから」 「だったら、他の星に行って、2人で待ってればいいじゃんか」 「……近くにある惑星は、タバサだけです。  ただ、タバサは危険なので、そこでさらに分かれたりすると、最悪つかまる事もあり得ます」  あたしは、リアが何を言いたいのか全くわからなかった。  ヒカルもわかっていなかったが、セインはなんだか不安そうな顔をしていた。  最も、常に笑ってはいるのだけど。 「……じゃあ、どうすればいいんだよ?」 「簡単ですよ。  ……ラーミアは、テクノスター指定はされていないので、検査は監視員が行うだけなんです」 「……どういう意味だよ」 「つまり、わざわざ機械で調べたりはしない、という事です。  そして、人の目は、簡単にごまかせます」 「……まさか……」  ヒカルの顔が引きつった。 「幸い、予備はたくさん置いてありますから、2人分くらい簡単に用意できますよ。  それどころか、異次元倉庫に100着以上しまってあるので、好きなものを選べますよ?」  そういって、リアは後ろの棚から、あるものを取り出した。  それは、オレンジ色の、派手なフリフリのスカートだった。 「……冗談ですよね」  セインが早口に聞いた。 「私が冗談を言うように見えます?」  ふとあたしが辺りを見回すと、カナとサエがにやにやしていた。  あたしも、今後の展開を想像したら、自然と笑みがこぼれた。  そしてふと気づくと、ヒカルとセインは、あたしたち女性陣4人に、完全に包囲されている状態となっていた。 「いや、倉庫の中に隠れていればいいんじゃないのか?」  ヒカルが聞いた。  一見冷静を装っているが、その顔は引きつったままだ。 「……でも、もし見つかったら大変ですし、倉庫も異次元空間ですし。  3日ほどいる予定ですから、食べ物を用意するのも大変なんで……ね?」  あたしたちはじりじりと2人に迫った。 「で……でも、バレるに決まってるだろ?  口調とか、名前とか、いろいろで……」 「ヒカルなら女でも問題ないでしょう。  もともとプロットでは女でしたし。  それに、最近は男言葉を使うヒロインが人気ですから」 「……あの~、僕はどうすれば……」 「大丈夫ですよ。  あなたのキャラクターのモデルは女 装が似合うあの執事ですから。  何でも似合うと思いますよ☆  ……というわけで……」  2人の悲鳴がUFOに響いた。 ...

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